バレエの楽しさを伝える

針山バレエ NY Dance Artistry主宰

針山 真実さん

 針山真実さんは2005年にニューヨークで自身のバレエスクール「針山バレエ教室」を設立し、その後、ニューヨーク・ダンス・アーティストリーと改名、日米でバレエ講師、バレエピアニストとして活動している。今月4日、スプリングパフォーマンスがアッパーウエストサイドのリバーサイドチャーチシアターで森大使夫妻を迎え開催され、3歳から18歳までの生徒54人がステージで日頃の練習の成果を披露した。2019年に現在のウエストサイド33丁目のスタジオに移転した時には110人いたが、移転半年後に新型コロナウイルスのパンデミックとなり、フィットネスやバレエは軒並み対面レッスンができなくなりZOOM指導が主体となる中で、生徒数が半減したが、幸いスタジオは政府のサポートや大家の理解があり維持することができた。

Photo:Naoki Fukuda 

 針山さんは大阪出身でクラリネット奏者の父親とピアニストの母親、2人の姉の影響を受けて幼少よりバレエとピアノを学んだ。2003年ニューヨークに単身移住。アメリカンバレエシアターをはじめ有名ダンススタジオやバレエ団でピアニストとして活躍。Avexより発売されたディズニー公式バレエレッスンCD計6枚の全曲を編曲、演奏。同時にバレエ指導者としても活動。生徒らはコンクールで数々の優秀な成績を受賞。多くの公演プロデュース・制作・振付もしている。「コロナ以後さらにスタジオの経営は悪くなり精神的にも厳しくなりスタジオを閉めようと思いましたが、昨年日本で新しく発足したバレエプロジェクトのメンバーとなり立ち上げと同時に、日本に避難したウクライナバレエダンサーたちのサポートのためニューヨークを一時離れました。現在またニューヨークに戻り自身のバレエスタジオで指導、パフォーマンスの準備をしています」と心機一転、新しい気持ちでニューヨークでのスタジオをまた盛り上げていきたいという意欲に駆られているところだ。

 今後は「バレエを教える、表現することを教える、それらの楽しさを伝えたい。そして目標を持つ大切さや、バレエ以外で私がこれまで多くの先生方や先輩陣から学び得て人生のために良かったことを教えていきたい」と話す。今回、多くの人、特に子供たちに音楽やバレエの楽しさや良さを知って欲しいと思い、スタジオを改良したという。「劇場ではなくてもバレエや他ジャンルの芸術に身近に触れ楽しめる機会をこれから創っていきたい」。家庭では6歳長女と2歳長男がいる。「小さくても人格があり自我もあり、バレエを教えるよりずっと難しいです」と一瞬母親の顔になった。

(三浦良一記者、写真も)