サーカスの道化師で役者にも

フィジカルコメディアン
岩佐 麻里子さん

 日本大学芸術大学演劇学科卒業後、ディズニーランドパレードダンサーやストレートプレイ、ミュージカルなどを経てニューヨークに2006年の12月末に来米した。スタンダップコメディーショー、バラエティショー、オフオフブロードウェイなど様々な舞台に出演したあと、2012年11月から米国で一番の老舗サーカス、リングリングブラザーズ・アンド・バーナムアンドベイリーサーカスにクラウン(道化師)として17年5月の最終公演まで参加した。18年に拠点を再度ニューヨークに移し、現在は日米問わず舞台作品、音楽ライブ、スタンダップコメディーライブ、バラエティーショー、ホスピタルクラウン、老人ホーム訪問、イベントなど様々な分野で活動している。

 ニューヨークに戻ってきて最初にオーディションで得た仕事は、シラキュースのレッドハウスシアターで上演されていた「チャーリーブラウンクリスマス」のスヌーピー役。ぬいぐるみを着るのではなく、黒い耳をつけてメイクは鼻を黒く塗るだけ。首輪の代わり蝶ネクタイ。白いズボンに白いサスペンダー。モノトーンの出で立ちで、チャップリンかバスターキートンの無声映画時代のようなフィジカルコメデイーを演じた。

 「スヌーピーって、まったく、クラウンそのものなんですよね。立ち位置というか、まず、犬で、人間じゃない、なんでもできるけど、ちょっとボケている。安心して見ていられるというか。サーカスも、スリリングな演技や猛獣使いが出てきたりしてハラハラどきどきの場面の連続だけど、その幕間に、♪ちゃっちゃチャラララって楽しい音楽で出て来るクラウンの登場で、その場の空気感が変わるというのがシアターでも使えると思った」という。

 英語で、クラウンと呼ばれる職業。日本語に訳すと道化師。クラウンの中にピエロ、ジョーカー、宮廷道化師のジェスターなどが入るらしいが、その区分けの微妙なところは自分でもよくわからないそうだが、自分はピエロではなくてクラウンだと思っている。最近は、映画「ジョーカー」のおかげか、映画を見たというフェイスブックのお友達から仕事をお手伝いしたいというメッセージも来るようになった。

 クラウンで培った経験でソロ公演にも挑戦する。4月末に予定されていた公演はコロナウイルスの感染拡大の外出禁止令などで劇場が締まってしまったので、予定は未定だが公演日程が再度決まるのを待つ日々だ。

 (三浦良一記者、写真も)

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