イスラム教徒の女性、ファッショナブルな装い

 クーパー・ヒューイット・スミスソニアン・デザイン博物館(東91丁目2番地/五番街)で、「現代イスラム教徒のファッション」と題する初のイスラム圏ファッション展示が開催されている。現在はコロナウイルスの感染拡大予防のため一時閉館になっているが、会期は8月23日まで続く。

 イスラム教徒の女性は黒い布で頭からつま先まで覆うという先入観念を取り壊し、展示ではハイファッションから、街着、カジュアル・ウェアー、オートクチュールまで、イスラム圏や欧米で活躍中のイスラム教徒デザイナーの作品80点と写真40枚が展示されている。マネキンの装いや数か所に置かれたビデオテープや見ると、今日のイスラム教徒の女性は長袖、ハイネック、長いスカートなど着用、肌は見せなくとも、シースルーの絹や化学繊維を流行のデザインに纏め、伝統を保ちながら現代ファッションを楽しむ様子が伺える。「伝統的」で「慎み深く」「流行を取り入れた」ファッションがそこに見られる。

 地理的には中近東の展示もさることながら、インドネシアのコレクションが特に目を引いた。「西洋の先入観に反して、今日のイスラム圏はファッション業界が最も成長期を迎えています」と、同博物館キュレーターのジル・ダレサンドロ氏が説明する。特にイスラム人口の多いインドネシアのファッション業界の成長は目覚ましいと指摘した。

 この展示は2018年9月にサンフランシスコのファインで始まり、ドイツのフランクフルトを経由してニューヨークでの最終展示となっている。

 開館時間は毎日午前10時から午後5時まで。入場料:大人16ドル、シニア(62歳以上)と身体障害者は10ドル、学生は7ドル、会員と18歳以下は無料。

 問い合わせは電話・212・849・8400。

(ワインスタイン今井絹江、写真も)