アンティークとレストランの街 コールドスプリングへー。

日帰り遠足シリーズ

 ようやく春めいてきた今日この頃、天気が良い休日に家でじっとしているのはもったいない。ハドソン川沿いの小さな町コールドスプリングはホワイトプレーンズから車で約45分、グランドセントラル駅からメトロノースでも行け、駅から徒歩で散策ができるため、マンハッタン在住の人や車が無い人にもおすすめの日帰り遠足スポットだ。

【歴史】19世紀初頭、材木や農産物の商取引きのための小さな集落が出来たのが始まり。やがてハドソン川の対岸にウエストポイント(米陸軍士官学校)が創立するとコールドスプリングに銃器や砲弾を製造する鉄工場が建設され住民が増加、1846年に村となる。南北戦争時に軍需産業で栄えた後、美しい景観と豊かな自然がニューヨークの富裕層に愛され、郊外に邸宅が数多く建設され、町にはアーティストや文筆家が住むようになる。1911年に鉄工場が閉鎖されると町は廃れたが、第2次世界大戦後にその立地の良さから再注目され、徐々に活気を取り戻した。1973年、古い街並みが残るメインストリート一体が連邦歴史地区に指定された。因みにコールドスプリングの地名はかのジョージ・ワシントンが近隣の湧き水を飲んだ時、予想外の冷たさに「コールド スプリング!」と言ったことから名付けられた、という説があるが真偽のほどは不明。

【街並み】メトロノース駅を降りて線路脇の道を進むと間もなくメインストリートに出る。右手(東)に進むと町の中心へ、左(西)に進むとハドソン川に出る。東側の通りにはアンティークショップや雑貨屋、昔ながらのカフェに小洒落たレストラン、モダンなセレクトショップなどが並び、ぶらぶら歩きにもってこい。連邦歴史地区に指定されているだけあって古い建物を見て歩くのも楽しい。どの家も手入れがされ、チャーミングに飾られている。背の高いビルディングは一軒もなく、マンハッタンからたったの1時間の立地にこういう町があることに驚く。通りの片側をぶらぶら歩いて、店が少なくなった辺りで通りの反対側に渡って引き返す。途中の店で買い物しながら歩いても3時間もあれば十分だ。町を散策した後は線路の下をくぐる地下道を通って西側に行くことも忘れずに。川沿いの公園からは季節折々のハドソン川の景色が楽しめる。

【カフェ&レストラン】数は少ないがそれぞれ個性的な店ばかり。
(1)Foundry Cafe (55 Main St.) 味のあるインテリアに、大雑把だがフレンドリーなウェートレスのおばちゃんがいて、田舎のカフェの雰囲気満載。ダイナー風のメニューはどれもボリュームたっぷりだが、コーヒーとマフィンだけでも歓迎してくれるのがうれしい。
www.facebook.com/ColdSpringFoundryCafe
(2)Le Bouchon (76 Main St.) 外観は青と赤と黄色、店内は真っ赤な壁と、赤白のギンガムチェックのテーブルクロスが印象的なフレンチビストロ。サービスも料理も良い。フレンチオニオンスープが好きな人は是非お試しを。週末は混むので予約した方が良い。www.facebook.com/pages/Brasserie-Le-Bouchon-Restaurants/
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(3)Cathryn’s (91 Main St.) イタリア中部、トスカーナ料理の店で、コールドスプリングでは一番の高級店。値段も高いがワインや料理の内容充実、ただし料理が出てくるまでに時間がかかる。季節が良い時には屋外のテーブル席がとても美しい。
www.facebook.com/cathrynstuscan/
(4)Hudson Hill’s Cafe(129-131 Main St.) 町で一番人気のカフェ、待たずに着席できたら超ラッキー。ボブ&ヒラリー夫妻が2011年にオープンしたカフェで、ハドソンバレー産の新鮮なオーガニック材料を使ったシンプルな料理が売り。朝8時から夕方4時まで、ディナーは営業していない。
www.hudsonhils.com

*コールドスプリングの詳細はウェブサイトhttps://coldspringliving.com/を参照。