コロナウイルス NJ州の状況

 新型コロナウイルス感染症(covit-19)の患者が、4日水曜日、ニュージャージーでも初めて確認され、フィル・マーフィー州知事が4日夜、発表した。その後もバーゲン郡を中心に患者数は少しずつ増えており、10日火曜日時点では15人の感染が確認され、うち1人が死亡した。今回、火曜日までの経過を記載する。ニュージャージー州最初の患者である32歳の男性はバーゲン郡フォートリー在住で、2日月曜日に体調不良を訴えてハッケンサック大学病院に入院していた。ニューヨーク州2件目のウェストチェスター郡ニューロッシェルのケースを踏まえ、木曜日早朝からフォートリーでは「学校が休校になるのでは?」「町が閉鎖され住民は2週間外出禁止になるのでは?」といった不安の声が多く出た。フォートリーのマーク・ソコリッチ区長は同日午前中、早速同区の公立校に通う生徒の保護者たちに、「現在詳細は調査中だが、子供たちがパニックになるので保護者の皆さんはまず落ち着いてください。」という談話の動画をEメールで送った。そして、同日午後にはまた保護者たちにソコリッチ区長の記者会見の様子が動画配信された。会見で区長は、「患者の男性は一人暮らしで、エレベーターのない建物の一階に住んでおり、病院へも自家用車で行った。前日までにニューヨークでの活動は認められたが、発症後に少なくともフォートリー区内では誰とも接触をしていない。従って、公共的な部分から他の住民への感染拡大は考えにくいので、今回の件による学校の閉鎖はなく、町のビジネスも通常通り行います。」と発表した。

 5日午後、ソコリッチ区長が記者会見を行う直前に、バーゲン郡イングルウッドで同州2件目の患者が確認され発表があった。同市に住む30代の女性はイングルウッド病院に入院しているが症状は比較的安定しているという。発病前に同女性と接触のあったニューヨーク市内の職場の同僚と先月29日に自宅で行われた会合に参加した15人が自主隔離で経過観察中。

 6日金曜日には新たに2人の感染が確認。3人目の患者は、フィラデルフィアに近い州南部のカムデン郡チェリーヒルに住む61歳の男性。ジェファーソンチェリーヒル病院に3日から入院し容体は安定しているという。4人目の患者は、バーゲン郡イングルウッドに在住の50代の男性で、2人目の女性と同じイングルウッド病院に4日に入院。この男性は先月末、軽い体調不良を感じたまま、メリーランド州で開催されトランプ大統領とペンス副大統領も参加していた集会に出席していたことが確認されているが大統領らと直接の接触はなかったと報じられている。

 尚、同日には、ニューヨーク州ニューロッシェルの感染者と接触のあった生徒が28人もいる、バーゲン郡パラマスにある私立校フリッシュ・スクールが当面の休校を決定した。同校の生徒らは自宅で経過観察をさせられている。

 そして、8日日曜日、新たに2人の感染が報告された。5人目の患者は、バーゲン郡ティーネックに住む70代の男性。パターソンの聖ジョセフ病院に入院。この男性は医療関係のオフィスに従事している人物だそうだ。6人目の患者は、ハドソン郡ウェストニューヨーク在住の32歳の男性。男性は先月28日ごろから体調不良を感じ、5日にハッケンサック大学病院に入院。発病から入院まで時間が長いことから、その間の彼の行動を調査中という。

 また、9日月曜日には新たに5人の感染が確認され、感染拡大が加速したため、月曜夜にはマーフィー州知事が「非常事態宣言」を発令した。10日火曜日には更に4人の感染が確認。そのうち、バーゲン郡に在住する糖尿病などを患っていた69歳の男性が、NJ州では初めて死亡。火曜日時点でその他31人が検査結果待ちという。