ハマチの魅力を大胆に

 日本固有の魚種である日本産ブリは、脂乗りがよく濃厚な味わいであるとともに引き締まった身質で、鮮度もよく、安心、安全な生産、加工、流通工程を経ていてハマチの名前で広く親しまれている魚だ。このハマチをもっと海外、とりわけ米国の人に食べてもらおうと、ニューヨーク7店、ロサンゼルス3店のスターシェフが、ハマチを使ったオリジナル創作料理を作った。企画・主催したのはJFOODO。日本の農林水産物・食品のブランディングのためにオールジャパンで消費者向けのプロモーションを担う組織として2017年に日本貿易振興機構(ジェトロ)内に創設された。

 米国における日本産ブリは、大半が日本食レストランの寿司、刺身用として提供されており、2019年までは右肩あがりで推移していたが、コロナ禍のパンデミックの影響で外食需要が減り、2020年の対米輸出は前年比60%の大幅な減少となってしまった。ハマチは日本食レストランなどでは馴染みのある食材だが、米国における5大食品販売チェーン、ウォルマート、コストコ、シアーズ、Kマートでの取り扱い実績はゼロ、アマゾンがかろうじて1件扱っているに過ぎない(JFOODO調べ)。アメリカの流通に乗せるためにはもっとハマチを米国人に知ってもらうことが先決というわけだ。サーモン、ツナに大きく水を開けられているハマチだが、スターシェフの腕を借りて米国市場の拡大を試みる。

 ウエストビレッジにあるペルーレストラン「ラマサン(LLAMA SAN)」のシェフ、エリック・ラミレスさんは日本料理とペルー料理のフュージョン料理である「Nikkei」料理を提供するシェフ。2021年にはヴォーグ誌によるNYで影響力のある10人のメット・ガラ・シェフに選出されている。

 同店で出している「ハマチ・ティラディト・ウィズ・ウニ、ココナツ、抹茶(Hamachi Tiradito with Uni, Coconut, Matcha)=写真(28ドル)がこの店の創作の一品。ウニ、ココナツ、抹茶といろいろ混ざっているのに、一つ一つの味が独立してそれぞれを優しく引き立て合いながら口の中で広がっていくなかなかの美味だ。1月27日から始まった同スペシャルメニューの提供は、今月28日(月)までとあと僅か。 (三浦)

LLAMA SAN

359 6th Avenue

New York, NY 10014

Tel:646-490-4422

http://www.llamasannyc.com/

営業時間 月〜日 17:00〜23:00

定休日:土曜