編集後記 2022年8月27日号

【編集後記】
 みなさん、こんにちは。日本政府は本日、24日、新型コロナ対応の水際対策の一環として、日本人を含む国外からの全入国者に求めている陰性証明書の提出を9月7日から、3回目の新型コロナウイルスワクチン接種を条件に免除する方針を明らかにしました。これにより、現在、米国を含む海外から日本に渡航する場合に求められていた、PCR検査、検査証明書の提出をしなくてもよくなることになりました。入国前の検査については、経済界などからG7諸国並みに円滑な入国が可能となるよう、検査の緩和を求める声が上がっていました。入国者数の上限についても、早ければ9月中にも現在の1日2万人から5万人に引き上げる方向で調整しているそうです。日本を訪れる観光目的の外国人について、政府が添乗員がいないツアーも入国を認める方針を固め、実施の時期を検討しているそうです。添乗員付きツアーは、自由行動が制限されるため、そのような制限のない他のアジア諸国に旅行者が流れて行ってしまう現象があったためです。思えば、ただでもできるような検査を、提出する書類のサインをもらうためだけに200ドルも300ドルも使わなくてはならない政府の押し付けは、本当に帰国者泣かせでした。ゼロサムですから泣いた人の分だけ喜んだ人がいたと言うことです。払われた代金を受け取った海外の一部指定の医療機関はコロナ特需に沸いたかもしれません。まもなくこの陰性証明書の取得も終わるので営業妨害にはならないと思うので、誤解を恐れずにあえて言うなら、コロナ禍で立ち向かっている医療従事者は崇高な使命を激務の中でまっとうして賞賛に値する仕事ぶりでしたが、陰性証明書の値段は、あそこまで高くする必要があったのか、利権に寄り添って暴利を貪る行為に等しいものがあったのではないか、コロナ禍で一度も帰国しなかった私ですらそう思うのですが、言い過ぎでしょうか。当事者は帰国を控えて愚痴を言っても始まらないので、誰も公には言いませんけど、財布は痛かったはずです。コロナ蔓延の大騒ぎの日本で今水際対策の緩和というのも喜んでいいのか、危惧していいのか、やろうとしていることがお互いに反駁する打ち消し効果が作用するように思える迷走ぶりです。感染を抑えたい医療専門家とビジネス再開を急ぐ経済界とはおそらくこの事態打開に向かう立ち位置が違うんでしょうね。それでは、みなさん、よい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)