竹中征夫氏28日に日本クラブで躍進の条件講演

「大切なのは米国企業になるということだ」

 日本企業の米国進出を先導し、数々のM&Aを成功させた米国公認会計士、竹中征夫氏を招いたランチョン講演会が28日(木)正午から、日本クラブ(西57丁目145番地2階ローズルーム)で開催される。講演に先立ち、日本企業にいま求められものを聞いた。(聞き手・本紙・三浦良一)

 観光客は海外から来るが、日本の製造業は皆、海外に出てしまって、日本の国内市場は少子高齢化ですぼまっていく。企業はどうしても外に出ざるを得ない。先進国の中で唯一人口がピラミッド型になっている若い国が米国で、今後も安定した成長が期待できる。
 米国で成功するためには米国の企業にならなくてはならない。米国の客をもっと獲得しなくてはならない。日本食レストランでもアメリカ人で賑わっているところが儲かっている。
 もう一つは米国人社員にやる気をもたせること。実行する権限と機会を与えて、成功したなら報酬を与えることで優秀な人材を獲得して維持させることだ。日本人は農耕民族的発想だが、米国人は狩猟民族で獲物を狙って動き、開拓する国民だということを理解する必要がある。
 トランプ政権になってメイド・イン・アメカの米国第一主義になり、現地生産を促進させているのは、日本企業にとっては逆に大きなチャンスだ。製造業は自動車を始め、現地生産して大きく成長している。日本の優れたモノづくりの精神はアメリカでもカイゼンやカンバン方式などで受け継がれている。日本企業に求められているのは、単なる国際化ではなく、現地に根
を下ろしたグローバル化だ。日本企業のルーツを忘れずに根を下ろすことだ」。
 講演会は日本語。テーマは「生き残る国際企業のリーダーたちへ〜いま求められる『躍進の条件』を語る」。参加費(弁当とお茶付き)は一般45ドル、学生40ドル、会員35ドル。
 申し込みは電話212・581・2223、Eメール info@nipponclub.org