「カワイイは叛逆と抵抗の手段」 セバスチャン増田氏FITで講演


 ファッションクリエイターのセバスチャン増田氏が1日、NY州立ファッション工科大学(FIT)で講演した。増田氏に関する初の英語による伝記『SEBASTIAN  MASUDA』を書いた同大の川村由仁夜・社会学教授との対談形式で行った。講演では「カワイイ」に対する増田氏の深い理解についても掘り下げ、「『カワイイ』は、単に『かわいい』『女の子っぽい』『幼稚』と誤解されがちだが、実際には複雑な解釈の層を持つ概念だ。『カワイイ』は単なる形容詞ではなく、ライフスタイルであり、哲学であり、大人社会に対するアンチテーゼ、イデオロギーだ」と説き、反逆と抵抗の手段としての「カワイイ」について川村教授の質問に答える形で熱く語った。同大学が大講堂で日本人著名人を招いた講演会を開催するのは初めて。

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 増田氏は、この美学が型破りな装いを通じてどのようにアイデンティティを主張しているかを語った。トーク終了後には、増田氏によるブックサイン会が行われた。講演で、幼少時は手塚治虫や藤子不二雄が大好きで、マンガ家を目指していたが高校卒業後、専門学校入学のために大阪へ行くが、環境の違いが原因で引きこもりになり図書館で寺山修司の著書『書を捨てよ町へ出よう』に出会い、東京に戻って演劇・現代美術などの芸術分野に多く関わったことを紹介。2014年のニューヨークで初の個展を皮切りに、海外を拠点にアーティストとしても本格的活動を始めている近況を語った。

 テーマカラーの「どピンク」の原色は「大人の社会への反逆、反抗、アンチテーゼとして使っている。色というのはエネルギーがある。最近は若者の間に、他者評価を気にしすぎる傾向がある。他人に惑わされずに自分自身を信じて前に進んで欲しい。挑戦する精神を忘れないで」とステージから学生たちを激励した。

 参加した学生からは「きゃりーぱみゅぱみゅの大ファンなので、創作の原点に何があるのか知りたくて来た。大人社会へ向けた気持ちを共有できて嬉しい」。「日本人には生まれつき備わっているというKAWAIIの概念と早く大人になりたいとする西洋の概念との違い、日米の定義比較がおもしろかった」などの感想が聞かれた。  (三浦)