アイヌの伝統文化紹介 北海道平取町から7月と8月

ジャパン・ソサエティー

 ジャパン・ソサエティーは7月22、23日と8月12、13日の4日間、「アイヌ・サマー・フェスティバル—アイヌの物語、文化、そして伝統」を開催する。北海道平取町との共催で、日本北部の先住民族・アイヌの歴史や文化を多角的に紹介する催しとなる。

 会場には北海道・平取町から25人を超える工芸家や文化継承者、教育関係者が来米。アイヌ古式舞踊の公演をはじめ、木彫りや刺繍、アイヌ語のワークショップ、アイヌ料理のデモンストレーションと試食、映画上映、講演などを通して、言語や生活文化、精神文化に触れる機会を提供する。ニューヨークで本格的なアイヌ文化を総合的に紹介する催しは極めて珍しく、一般市民をはじめ日本の文化に関心を持つ幅広い層の来場が期待されている。

 今回のフェスティバルは、アイヌ文化の保存と継承に生涯を捧げた平取町の故・萱野茂さん(1926〜2006)の生誕100周年を記念して企画された。萱野さんは平取町二風谷地区を拠点にアイヌ文化の復興運動に尽力し、日本でアイヌ民族として初めて国会議員となった政治家としても知られる。アイヌ語や民具、口承文芸の記録保存の他、100を越える著書を残すなど、アイヌ民族への理解を広めるうえで大きな役割を果たした。

 アイヌ民族は北海道を中心に古くから暮らしてきた先住民族で、独自の言語や信仰、文化を持つ。しかし明治時代以降の同化政策によって多くの伝統や言語が失われ始めた。その後2019年に、日本の国会がアイヌ民族を先住民族として認める法案を可決した。ユネスコが「極めて消滅危機にある言語」に指定するアイヌ語を含め、文化復興への取り組みが進められている。

 平取町の遠藤圭一町長は「アイヌ文化をニューヨークで紹介できることを光栄に思う。アイヌの人々が誇りを持って暮らせる社会を目指し、次世代へ伝統を継承していきたい」とコメントしている。

 また会期中には、エミー賞受賞歴を持つ映像作家の溝口尚美さんが10年以上かけてアイヌのコミュニティを訪れて信頼関係を築き、製作したドキュメンタリー映画「Ainu ーひと」の上映も予定されており、アイヌの現在と未来について理解を深める貴重な機会となりそうだ。

アイヌ・サマー・フェスティバル スケジュール

■7月22日(水)▽午後5時30分〜6時45分・映画「Ainuーひと」無料上映会・監督の質疑応答▽午後7時〜8時30分「Sinot 沙流川流域の踊り」公演(レセプション有り)

■7月23日(木)▽午後4時〜5時30分「Inuye=an ro!」木彫りワークショップ▽午後5時30分〜6時45分・映画「Ainuーひと」無料上映会・監督の質疑応答▽午後7時〜8時30分「Ipe  アイヌの食文化」(レセプション有り)

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■8月12日(水)▽午後4時〜5時30分「Ikarkar=an ro!」刺繍ワークショップ午後5時30分〜6時45分「Itak=an ro!」アイヌ語ワークショップ▽午後7時〜8時30分「Sinot 沙流川流域の踊り」公演(レセプション有り)

■8月13日(木)▽午後4時〜5時30分「Sinot=an ro!」アイヌ古式舞踊ワークショップ午後5時30分〜6時45分・映画「Ainuー ひと」無料上映会・監督の質疑応答▽午後7時〜8時30分「Ikarkar & Itak: 」アイヌの刺繍と言語。(レセプション有り)入場料・一般20ドル、学生とシニア17ドル、会員15ドル。詳細とチケットの申し込みはウェブサイトhttps://japansociety.org/ainufestival/