Jプレス 伝説の写真集のスタイル再現

 メンズ・ファッションの老舗、Jプレスは16日、アイビーファッションのバイブルとも言われる日本の写真集『TAKE IVY』をニューヨーク歴史博物館で開催された2026年春のコレクション・ランウエーで再現した。

 1965年刊行の本書は、全盛期のアイビースタイルを捉え、アイビーリーグをはじめとするキャンパスで実際に着用されていた姿をノンフィクションで記録した名著で、同書ではJプレスをこのスタイルの創始者と称えている。

 ショーでは、マドラスチェックのスポーツコートや、ブランドの象徴であるオックスフォードボタンダウンシャツなどを紹介した。会場で特製ハードカバーに入れられた同写真集の英語版=写真=が招待客に贈られた。 

(写真右)特製カバーに入った写真集が会場で招待客に贈呈された

IVYスタイルの聖書

林田昭慶、くろす としゆき 、長谷川 元 、 石津祥介 ・共著
(英語版)POWERHOUSE BOOKS・刊

 1965年、日本で刊行された写真集『TAKE IVY』は、日本におけるアイビールック受容の原点を刻んだ伝説的な一冊だ。撮影を担当したのは写真家の林田昭慶氏。企画・編集の中心となったのが本紙でもお馴染みのくろすとしゆき氏であり、彼の視点が本書の骨格を形作った。メンズクラブ編集長だった長谷川元氏、VANジャケットの石津祥介氏の4人の共著だ。

 本書は1960年代半ば、アメリカ東海岸の名門大学群、いわゆるアイビーリーグの学生たちの装いを克明に記録した写真集だ。キャンパスに立つ若者たちの自然なポートレートは、単なるファッション紹介を超え、生活文化の息遣いまで伝える。ブレザー、ボタンダウンシャツ、チノパンツといった定番アイテムはもちろん、足元のローファーやソックスの丈に至るまで、ディテールへの執念が光る。

 紙面には、当時からアメリカントラディショナルを象徴する存在だったJプレスやブルックスブラザーズのアイテムも登場する。これらのブランドは単なる衣服の提供者ではなく、東海岸的価値観——質実、知性、節度——の象徴として描かれている。その空気感を、過度な演出を排したストレートな写真で切り取った点に、本書の独自性がある。

 刊行から半世紀以上を経たいまも評価は高く、英語版も出版され、海外のファッション関係者から再発見されている。日本で生まれた一冊が、逆輸入のかたちで世界的資料となったことは興味深い。

 『TAKE IVY』の魅力は、流行の記録でありながら、時代を超える普遍性を宿している点にある。そこに写る若者たちの姿は、1965年の空気を閉じ込めつつも、今なお新鮮だ。

 ジャック・カールソン氏(Jプレス クリエイティブディレクター兼社長)は「今シーズン、Jプレスは『テイク・アイビー』を現代に蘇らせる。1965年に初版が刊行されたこのカルト的な日本の写真集は、世界中のアイビー・ルックを定義し、世代を超えて影響を与え続けてきたスタイルの旗手としてのJプレスを確固たるものにした。『テイク・アイビー』の素晴らしい点は、学生たちのありのままの姿をとらえていることだ。演出もセットも一切ない。本物である。まさにJプレスそのものだ」と称賛している。   (三浦)