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編集後記

 みなさん、こんにちは。トランプ大統領は19日、専門技術を持つ外国人向けのH1Bビザ申請について、雇用主の企業に年10万ドルの手数料を課す大統領令に署名しました。さっそく21日から発効しました。H1Bビザの申請には、これまで抽選登録料の215ドルと、雇用主が提出する請願書の申請料780ドルでしたが、これらに加えていきなり10万ドル(日本円で約1500万円)が必要になりました。適用されるのはこれから申請する新規のビザだけで、ビザの更新やすでにビザを持っている人には適用されません。しかしまた、どうしてこのような突飛とも思えるような政策を打ち出したのでしょうか。背景には、H1Bビザによって、雇用主は米国人労働者よりもはるかに安価で外国人を雇うことが可能になったことがあります。IT関連の職を求める理系の米国人の大卒者は職探しに苦労しており、コンピュータ・サイエンスとコンピュータ・エンジニアリング専攻の卒業生の失業率は、それぞれ6・1%と7・5%と、他の専攻に比べて高水準にあります。これは、生物学や美術史の卒業生の2倍以上です。昨年H1Bビザを最も多く取得したのはインドで全体の71%を占めました。中国は11・7%でそれに続きます。企業別では今年上半期で、アマゾンが約1万44件、タタ・コンサルタンシー・サービシズ(インド系大手IT)が5505件、マイクロソフトが5189件、メタが5123件、アップルが4202件、グーグルが4181件など。かつては日本人利留学生の米国就職への登竜門的存在だっただけに、その衝撃は大きく、外国人が米国に定住することがさらに難しくなっていくのではないか不安になりそうです。でも外国人の増加によって、自国民がわりを食うというは、どうやらアメリカだけではないようです。日本の都心に近い中古住宅の価格が平均で1億2000万円になり、昨年同期比で3割以上の値上がりだそうです。お金持ちの外国人がキャッシュで都心の中古マンションをどんどん買っているのが背景にあるようです。日本人はそのような買い方はしませんし、できません。このままでは、日本人は日本の普通の住宅に住みたくても住めなくなってきてしまうかもしれません。自国民を守るための政策という意味で今回のH1Bビザの規制強化は、ある意味、理にかなったものなのかもしれませんね。いろんな意味で日米比較ができるのも、日本の外に住んでいればこそなのでしょうか。それでは、みなさんよい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)