
国連本部の日本庭園で12日午前、戦後日本から寄贈された「平和の鐘」を鳴らす式典が行われた。今月21日の国際平和デーを前に国連総会に合わせて毎年実施されている。この平和の鐘は、平和活動に取り組んだ愛媛県の中川千代治さんが呼びかけて世界各国のコインを溶かして作り、1954年に寄贈した。
(写真上)式典にはグテーレス国連事務総長、ベアボック国連総会議長、山 特命全権大使夫妻、高瀬聖子さん、阿部紳一氏らが出席した。写真: UN Photo/Mark Garten
式典ではグテーレス国連事務総長が「分断された世界にあっても、我々はこうして平和の鐘を鳴らすことができる。世界平和のためにいますぐ行動しなければならない」と述べた後、1回大きく鐘を突いて鳴らした。続いてアナレナ・ベアボック第80回国連総会議長がスピーチの後に鐘を鳴らした。

式典にはオブザーバーとして中川さんの六女、高瀬聖子さん(77)、日本庭園を設計して作った造園家の阿部紳一さんが出席した。式典が終わり、高瀬さんが山﨑国連大使に「私も鐘を突きたい」と希望を伝えると垂水バイオリンの演奏中に歓談中のグテーレス事務総長に山﨑大使が高瀬さんを紹介、大阪・関西万国博覧会の会場で面会した高瀬さんが笑顔で挨拶すると、事務総長は高瀬さんとともに手を取り合って階段を上り一緒に鐘を突くという一幕もあった。高瀬さんは「戦後80年という年がいい年に変わってくれればよいが、世界はそういう傾向にはない。平和というものをそれぞれの国の立場ではなく個人の立場で考えれば良いのではと思う」と語った。
国連本部1階の国連ブックストアでは、国際平和に関する世界中の書籍が販売されているが、高瀬さん原案の絵本『コインでつなぐ平和の鐘』(日英対訳)も同書店で販売されている。

