原爆討論の課題図書、『ある晴れた夏の朝』(偕成社)

第65回青少年読書感想文全国コンクール
中学の部締め切り9月30日
在米小説家 小手鞠さん執筆

 ニューヨーク州在住の小説家、小手鞠るいさんの小説『ある晴れた夏の朝』(偕成社)が第65回青少年読書感想文全国コンクール(中学生の部)の課題図書として選出された。
 同書は、アメリカの8人の高校生が広島・長崎に落とされた原子爆弾の是非を肯定派・否定派に分かれて公開討論(ディベート)する様子が描かれる。登場人物は主人公である日系アメリカ人のメイをはじめ、アイルランド系、中国系、ユダヤ系、アフリカ系とルーツはさまざま。日米双方から見た歴史について、また、アメリカの高校生がディベートのために資料を準備し、どのように議論をするのかなどを知ることができる。
 公益社団法人全国学校図書館協議会(SLA)と毎日新聞が主催する同コンクールは、小学生から高校生までを対象に読書活動の振興等を目的に1955年から毎年開催されている。対象図書は「課題図書」と、自由に選べる「自由図書」があり、近年は毎年400万編を超える応募がある。
 感想文は個人応募ではなく学校単位での参加となるが、海外にある日本人学校からの応募も可能。海外日本人学校、補習授業校、私立在外教育施設在籍者の応募は9月30日(月)必着でSLAにて受け付ける。現地校のみの在籍者の応募は不可。入賞者は在籍校を通じて本人に通知され、来年2月に毎日新聞などの紙上で発表される。
 著者の小手鞠さんは「来年東京で開かれる入賞者受賞式典には著者として出席するが、同じニューヨークからの入賞者がそこにいたらうれしいですね。いまからでも間に合うのでぜひ読んでほしい」と話している。
 小説『ある晴れた夏の朝』は小手鞠さんによると「本書は、純粋なフィクションで、人物、場面、会話など、すべて私の創作物」なのだという。
 そうであるならば、なお一層のこと、米国の現地校と日本語補習授業校に通う在米の日本人中学生たちこそ「事実としての原爆の是非を問う教室の現場の体験」を伝える絶好のチャンスではないか。在米読者ならではの現実の教室や生活体験を通した視点で感想文を書くならば、読み応えのある肉厚の読書感想が書けるはずだ。本の帯にある通り、あなたが、9人目の登場人物として論を展開してはどうか。 (三)
 応募要領など詳細はウェブサイトwww.j-sla.or.jp/を参照。