大リーグ取材草分け、出村義和さん死去

 スポーツ・ジャーナリストの出村義和さんが2日、間質性肺炎のため神奈川・藤沢市内の自宅で死去した。71歳だった。葬儀、告別式は家族葬で行う。日本人のメジャー担当記者の草分け的存在として1980年代から現地で取材をして日本に大リーグ野球を伝えた。日本の報知新聞では20年以上にわたり毎週「NY特球便」のコラム連載を続けたほか、本紙週刊NY生活でも2004年の創刊以降「MLB通信」を担当した。出村さんは1950年9月24日生まれ。法政大学社会学部、ユタ州立大学ジャーナリズム科卒。ベースボール・マガジン社で週刊ベースボール編集長などを経て86年からフリー。拠点をニューヨークに移し、米大リーグだけでなく、政治、ビジネスなどを発信。帰国後は「J SPORTS」のメジャー中継の解説に加え、年に数回来米し生のメジャー情報を発信していた。MLB選手からの信頼も厚く、肉薄する記事が鋭いとの定評があった。1995年の野茂投手の米メジャー登場以降、各社から多くの日本人記者が来米するようになったが、後輩の面倒見がよく、現地取材などでは日本人運動部の記者たちにも慕われていた。

(写真左)2013年2月23日のアリゾナのクリーブランドでのキャンプ取材中にジアンビと談笑する出村さん(写真提供・Hiromi Takahashi )