ストランド書店建物、歴史建造物に指定

オーナー家反発も登録可決

 ニューヨーク市歴史建築物保存委員会(LPC)は11日、創業1927年の老舗書店ストランドブックストアが入るビルを含むブロードウェー沿いの6棟のビルを歴史的建造物として登録した。
 ストランドブックストアが店舗を構えるネオルネッサンス建築の同ビルは、建築家ウィリアム・H・バークモアがデザインし1902年に完成した。当初は衣料産業の拠点として機能していた。同書店は56年に4番街から同ビルに移転し、96年に11階建ての同ビル全体を買収した。LPCは同ビルについて「当時の高層ビルの様式的な特徴と技術的進歩を象徴している」と解説している。
 一方、同書店オーナーで同ビルを所有するナンシー・バス・ワイデン氏は登録に反対していた。歴史的に古い建物の修理や維持には費用がかかるため、オーナーは歴史的建築物の指定を拒否することが多いという。バス・ワイデン氏は昨年12月「ランドマークのステータスは、代々守ってきた家族経営の書店事業を次世代に継承することをさらに難しくさせる」と、反対を指示する1万1000人分の署名とともにLPCに申し立てした。その後2回の公聴会が開かれたが、LPCの投票結果は8対0で登録を可決した。