おーい、見えるかな〜

不適切行為で中断の「ポータル」
ダブリンとNY市交流が再開に

 アイルランドの首都ダブリンとNY市間を24時間いつでもビデオ通話で交流できるアート・インスタレーション「ザ・ポータル」の主催者は19日、不適切な使用が確認され一時的に利用中断していた同作品の使用を条件付きで再開した。

 重さ3・5トン、縦横8フィートの巨大スクリーンで24時間いつでも、誰でも大西洋の向こう側の市民と交流できることを目的に制作された同作品は、「連合した惑星の橋」と題してフラットアイアン地区サウスサウス・プラザ(ブロードウエー、五番街、23丁目の交差点)に今月8日設置された。しかし設置直後、ダブリン側からナチスを象徴するスワスティカや体の一部の露出、同時多発テロ事件のツインタワーの炎などの画像を流すなど不適切な行為が頻出し、泥酔して同作品を破壊しようとする女性が警官に逮捕される様子も中継された。ダブリン市議会は声明で「疑いようがない事態」として、適切に利用できるよう改善が必要だと伝えていた。

 使用中止から約5日後の午前9時、主催者は使用時間帯を午前6時から午後4時に制限、不快な行為を防ぐために作品周りにガードレールを設置、さらにカメラを邪魔する行為などがあった場合は画面がぼやけるなどの対策を施し、使用を再開した。「ザ・ポータル」主催者、フラットアイアン・ノマド・パートナーシップ、ダブリン市議会は共同声明で「作品を誰もが快適に楽しみ続けることができるよう、チームで必要な限り対策を更新していく」と伝えている。

(写真)再開した画面の前でダブリンと交流するNY市民 (20日昼・本紙撮影)