ジャパンパレード

 NY観客5万人! 99団体2500人行進

セントラルパークウエスト

  第3回「ジャパンパレード」が11日、セントラルパークウエストを会場に開催された。81丁目から67丁目まで当日は日系団体や県人会、同好サークル、スポーツ団体など99ユニット、2500人がパレードに参加し、5万人が楽しんだ。

 今年のパレードのグランドマーシャルを務めた元車いすテニス選手の国枝慎吾氏が沿道の市民に手を振り、ショーグンの衣装に身を包んだニューヨーク総領事の森美樹夫大使がオープンカーから市民の声援に応えた。

鬼滅の刃参上

 今年は日本からのスペシャルゲストとして、『舞台「鬼滅の刃」』のキャストが午後2時半過ぎにメインスタンド前に到着すると日米市民、子供も大人も写真を撮影しながらパフォーマンスに見入って大喝采となった。当日は、舞台版のキャストから竈門炭治郎(阪本 奨悟)、嘴平伊之助(佐藤 祐吾)、煉獄杏寿郎 (矢崎 広)、胡蝶しのぶ(門山 葉子)が演技した。NY披露初となる本人たちも「ニューヨークの熱気を肌で感じた」と感想を語った。

山口市が日本文化PR

NYタイムズ報道で人気急上昇

 今年1月にニューヨーク・タイムズ紙で2024年に訪れるべき52都市に選ばれた山口市もフロートを出して行進。瑠璃光寺五重塔や山口七夕ちょうちん祭りなどがデザインされたフロートに、祇園囃子保存会のメンバー10人が乗り込み、太鼓、笛、鉦(しょう)の三つの楽器で「日和神楽」「立田」「月」の3曲を奏でた。伊藤和貴山口市長、大庭達敏山口観光コンベンション協会理事長、湯田温泉マスコットキャラクター・ゆう子も乗車。ニューヨーク山口県人会のメンバーも、フロートに合わせて歩いた。また、ストリートフェアにも山口市ブースを出店、鉢巻を求めるニューヨーカーたちで長い行列ができた。

 伊藤山口市長は「日本の自治体が単独でジャパンパレードに参加するのは初めてと聞いている。応仁の乱で京都の文化をそのまま移したのが山口という歴史から日本文化の伝統を祭りという形で紹介した。ニューヨーク・タイムズ本社も訪問して、観光専門の編集者たちと面会し、社内でもかなりシビアな競争の中から52の都市を選んでいることを聞いた。私からは、これからもどうぞよろしくお願いしますと頼むのと同時に日本の地方都市、中小都市への眼差しを持ち続けて欲しいと気持ちを伝えた。NYタイムズ紙の報道以降、旅行関係者に話を聞くと宿泊はかなり手応えがあり、従来の東アジアからの観光客に加え、欧米豪からの観光客が増えていると聞く。これからも和のテイストをしっかり海外に発信していきたい」と話した。

 また今年はUSジャパン・ツーリズム2024年PRの一環としてダースベイダーやレイア姫など映画「スターウォーズ」のキャラクターを乗せたフロートも登場した。

 ジャパンパレードは日米交流、NYへの感謝、日系社会の連帯強化を目的に開催され、パレードのほかに今年もジャパンフェスの協力を得て、日本のお祭り屋台の食べ物など20あまりのテントがストリートフェアとして72丁目のセントラルパークウエストとコロンバスアベニューの間に登場したほか、日本文化紹介の書道や折り紙、ハローキティとの記念写真撮影、能登半島地震被災地支援の寄付募金活動をするテントも参加した。

 オープニング式典でパレードを主催する山口幸一ジャパンデーインク会長は「天気のことがずっと心配でならず、私は昨晩ジャパニーズメソッドを使った」と胸からてるてる坊主を出すと会場に大きな笑いと拍手が起こった。「晴天にも恵まれ、ニューヨークの皆さんに日頃の感謝の気持ちをお見せでき、また日本の文化・食事をご紹介出来て本当に良かったです。今年は日米観光交流年でもあり、JNTOさんのみならず山口市にもご参加いただき、従来以上に日本のご紹介ができた事を嬉しく思っています」と挨拶した。式典ではアダムス・ニューヨーク市長、ホウクル・ニューヨーク州知事、州議会から感謝状が山口会長に贈られた。

 開会式では今年のパレードのメイン・アート・イメージとなるアートコンテストで優勝したブルックリン在住の田原沙織さんに全日空から日米往復航空券2枚が贈呈された。

 森大使は「沿道から『ショーグン!』と多く声をかけられました。テレビミニシリーズとして米国で放映された『将軍』は今年のアメリカにおけるトピックだということで、この衣装を選んだ。気持ちが引き締まるというか、皆の先頭に立っているという意識が生まれる元気の出る衣装ですね。今年は、従来の日本好きの人だけでなく、裾野が広がって多様性のあるパレードになった。NYへの感謝、日本文化紹介、アジア、太平洋諸国と日本が一体となってアメリカの中で生活しているという連帯意識の向上など、日本人、日系人の皆さんにこれからも応援の力を貸していただきたい」と語った。

 鬼滅の刃の皆さんは「鬼滅の刃はもちろん日本で人気の作品ですが、今回のパレードでニューヨーク市民の熱気を肌で感じました。老若男女問わず幅広い人たちが楽しんでいると思いました。アメリカでの人気の理由は、作品の中に、『前を見て生きていけ』というメッセージが強く詰まっているので『諦めるな』という『頑張って行こう』という気持ちが人の心に刺さっているのではないか。沿道からもすごい応援の声が聞こえて盛り上がってくれてありがとう。アニメが原作の2・5次元の作品が、今回の一歩が大きな一歩に繋がり、いつかブロードウエー作品の一員になれるよう、これからも私たちも頑張って行くので、皆さん応援してください。日本に帰ってきた時はぜひ舞台を見にいらしてください」と話した。大会事務局は、土曜日に登校している補習授業校児童が鬼滅の刃を見られるよう出発時刻を午後2時20分に遅らせていた。

ジャパンパレード2024

99団体2500人が行進

 2024年ジャパンパレード参加団体は次の通り。

 NYPD騎馬警官、NYPDカラーガード、NYPDエイジアン・ジェード・ソサエティー、NYPDマーチングバンド、グランドマーシャル国枝慎吾、国旗(日本)ハンター大学日本語・日本文化学科、国旗(日本)石川県人会、国旗(米国)あおぞらコミュニティ基金、NY日本総領事館、NY市長と市機関、ハリソン市消防署、日系アメリカ人退役軍人協会、米陸軍士官学校 日本フォーラムクラブ、紐育太鼓愛好会、寒川神社、寒川神社神輿、ニュージャージー日本人学校、森美樹夫総領事、大使、NY総領事館、NY総領事館&フレンズ、国際交流基金NY日本文化センター、日本航空(フロート)、NY廣武館剣道、パークスロープロール、民舞座・NY花笠会、チェアマン、ジャパンデーインク、山口幸一専務執行役員米州総支配人、双日株式会社、双日株式会社、双日株式会社(フロート)、僧太鼓、誠道塾、NY市剣道クラブ、米国日本人医師会、丸紅アメリカ(フロート)、伊藤さちよ舞踊団、NY群馬県人会、剣禅道場、ヒサミツ・アメリカ・インク(フロート)、NY日系人会、NY日系ライオンズクラブ、紅玉よさこい、三菱住友信託銀行、鼓舞、コーリション・オブ・パシフィック・アメリカンズ、NY京都倶楽部、NY日本商工会議所、JCCファンド、日本クラブ、NY日本人美術家協会、サライカ・ムーブメント・コレクティブ、三井物産(フロート)、国際空手道連盟・極真会館、美和鼓、NY広島会&NY愛知県人会、ジャパンビレッジ神輿、ロングアイランド・ジャパニーズ・カルチャーセンター、ジャパン・パフォーミング・インク、森の家、慶應義塾NY学院、白虎館Dojo、NYCエリア柔道コミュニティ、東京海上アメリカ(フロート)、天手古舞、華鎖波、高知よさこいアンバサダー絆国際チーム合同よさこいチーム、早稲田大学NY稲門会、ミルクビンクのメイドカフェ、ブルックリン日本語学園、ハローキティ、江州音頭チーム、東京ブロンクスACG、公立学校147日本文化プログラム、ジャパンパレード公式フロート、『舞台「鬼滅の刃」』+着ぐるみ、ニューヨーク大学日本語プログラム、ブックエンド トゥータリング、LGBT+JAPAN、伊藤忠インターナショナル(フロート)、ハーレム・ジャパニーズ・ゴスペル・クワイヤー、ニューヨーク・ロリータ、日米ソーシャルサービス、NY奄美会、野村アメリカファンデーション、野村アメリカファンデーション(フロート)、太鼓マサラ道場、NY茨城県人会、NY茨城県人会神輿、アニメNYC、全日空(フロート)、日本空手協会NY道場、ミュージック・フォー・SDGs、国旗(米国)NY和歌山県人会、国旗(日本)米国北東部日本語教師会、山口県人会、山口市(フロート)、パセイックカウンティー・テクニカルインスティチュート、NYCJファッション、上智大学ソフィア会、ジャパンソサエティー、日本政府観光局(フロート)、ニューヨーク・ダンスアーティストリー・ハリヤマバレエ、ニューヨーク・ニュージャージー弓道会、アメリカン・ブディスト・スタディ・センター、住友商事アメリカ(フロート)、小倉直也バンド、日米合同教会、ジャザーサイズ・スカースデール、NY剣心会、明治大学学友会NY支部紫紺会、トリプルディダンスアンリミテッド、東京フロストバレーYMCAパートナーシップ、NYデ・ボランティア。   (行進順)