誠道空手新道場オープン

門下生200人が祝う

 世界誠道空手道連盟の新総本部が14日、マンハッタンのマジソン・スクエア・ガーデンに近い西30丁目252番地にグランドオープンし、国内支部、海外支部から道場門下生ら200人以上が集まり、盛大な開館式典が開催された。

 コロナ禍でオープン式典が1年以上延期されていたが、当日は、午前8時30分から子どもたちのテクニック試合、型の競技、試し割り、一般合同稽古が行われ、中村忠会長と同館二代目の中村彰さんの指導で気持ち良い汗を流した。

鏡開きをする中村会長(左)と二代目彰氏

 午後2時30分から式典が始まり、エリック・アダムス・ニューヨーク市長、ニューヨーク総領事の森美樹夫大使からのメッセージが代読された。長年本部を置いた23丁目の道場から引越すまでの、コロナ禍での工事中断、ズームクラスと屋外指導のみの長期間の移転の経緯を道場の歴史を踏まえて45分間のスライドショーで紹介した。中村会長は「コロナ禍が終息し、平常に戻り、皆様の健勝と誠道空手がさらに発展することを願ってやまない」と挨拶して、二代目会長彰氏と鏡開きを行った。

 創設者の中村会長(80)は、かつて大山倍達率いる極真会で「極真四天王」の一人に数えられ、1966年に同会米国支部設立のため来米。75年同会を脱退して76年に誠道塾を設立した。二代目の彰さんと築いて来た誠道空手の精神は、空手を通して豊かな人間形成をすることを目的とした「人間空手」。米国における空手道の普及に大きく貢献している。毎年開催しているトーナメントでは、NY市警(NYPD)や市消防局(FDNY)、目の不自由な障害を持つ生徒も参加し、毎年それら団体に寄付活動している。60年代日本でブームとなったキックボクシングの王者、沢村忠のリングネームの忠は、中村会長の忠から付けたものだ。著書に『人間空手』がある。真面目で温厚、芯の強い人間性から、極真会館時代から先輩・後輩を問わず今なお多くの門下生から人望を集めている。

中村 忠 プロフィール(なかむら ただし、1942年2月22日生まれ ) 日本の空手家で、世界誠道空手道連盟誠道塾の会長。段位は十段。樺太真岡郡真岡町(現在のロシア極東連邦管区サハリン州ホルムスク)出身。駒場東邦高校一期生。日本大学理工学部建築学科卒業。極真会館の発展に貢献し、大山倍達を支えた高弟で、大山の後継者とも云われた、初代首席師範。