石川立美子さん、マイベストプロJAA講演会

五感で認知症ケア、オンラインで開催

 ニューヨーク日系人会(JAA)が主催する第14回サクラ・ヘルス・フェアで、5月9日(月)までライオンズ大学 大人の教養講座シリーズのオンライン講演会(企画・NY日系ライオンズクラブ、協力・マイベストプロ、マイ・イベントUSA)が開催されている。第2時限は、介護研究家の石川立美子さんのKIMONOと五感で楽らく認知症ケアと予防について解説があった。

 今回のテーマは(1)認知症って知ってる?(2)KIMONOで認知症ケアと予防(3)五感で認知症ケアと予防&コロナの嗅覚低下の改善について。認知症は、脳の病気により認知機能が低下し、生活に支障をきたす症状のことを言う。認知機能には、記憶力、言語能力、判断力、計算力、遂行力、見当識がある。若くしてなることもあり、現在多くの国で、若年性の認知症が大きな課題になっている。怒ったり、冷たくしてしまうと本人もイライラしたり不安になってしまう。認知症になってもしっかりケアをすることで笑顔で楽しい生活をすることができる。

 着物を着て身なりを整えることで、活力、意欲が湧いてくる。自分を喜ばせて自分を大切にすることは、周囲の人を大切にすることと同じ。着崩れしないように襟や裾に気を使う。静かに歩くなどの所作に気をつけるなど、普段あまりしない行為が、脳の活性化に繋がる。また、昔のことを話したり、楽しい会話が増えることも、着物を着る大事な理由となる。

 五感は味覚、視覚、聴覚、触覚、嗅覚。大きな音や不快な匂い、見えにくい文字、馴染みのない味、痛い肌触りなどに遭遇すると人間は不安と混乱を覚える。逆に、心地よい音、落ち着く香り、分かりやすい標識、好みの味、優しい肌触りに接すると穏やかな気持ちになる。

 嗅覚が良くなると、ご飯や飲み物が美味しく感じられ、生きる喜びに繋がる。そして季節の香りや食べ物の香りを楽しめると、生活が豊かになる。優しい花の香りを嗅いで、穏やかな気持ちになったり、脳に刺激が行くことで、認知症の予防になり、進行を遅らせることができる、これをプルースト現象という。