タイムズスクエア銃撃で3人負傷

 マンハッタンのタイムズスクエアで8日午後、男が銃を発砲する事件があり、通りがかりの4歳の少女と女性2人が脚などを撃たれ病院に運ばれた。命に別状はない。男は逃走した。

 事件が起きたのは午後4時55分ごろで、場所は7番街の45丁目付近。目撃者の話によると男3、4人が路上で口論となり一人が銃を抜いて撃ち始めたという。撃たれた3人は男らとは無関係で、それぞれ偶然居合わせたもの。ブルックリンから両親と一緒におもちゃを買いに来ていた4歳の女児は脚を撃たれた。ロードアイランドから観光で来ていた女性(23)は太ももを、ニュージャージーから来ていた女性(43)は足を撃たれた。

 警察は防犯ビデオなどから発砲した男はファラカン・ムハンマド容疑者(31)と特定、喧嘩となり兄弟を撃とうとしたと思われるという。ムハンマド容疑者はタイムズクスエアで海賊版CDなどを売っていることで知られており、2018年に脅迫で、昨年は男性の首をつかんでゴミ箱に投げ込むという暴行での逮捕歴があった。警察は男のビデオを公開、行方を追っている。

 ニューヨーク市警によると、新型コロナ禍が始まった昨年来、銃撃事件が増加傾向にあったが、今年はさらに増えている。今年初めから5月2日までの銃撃事件は昨年同期比で83%も急増。銃撃による犠牲者数は463人で、昨年に比べて79%の急増。殺人件数は132件で昨年の同時期の113件から17%増加している。

 多くの人で賑わう土曜日のタイムズズクエアでの銃撃事件に、デブラシオ市長は「恐ろしいもので容認できない、本当に痛ましい事件」と記者会見で述べ、「ニューヨークへの銃の流入を阻止するためには議会が行動する必要がある」と銃規制の必要性を訴えた。3000万ドル(約32億4千万ドル)の予算を投じて観光キャンペーンを開始した矢先の出来事で、市長はタイムススクエアに配備する警官を増やすとしている。

(写真)事件のあった7番街45丁目付近