逃げ出す警官、手薄警備

大統領が強化を拒否
副大統領が独断で出動要請

 4000人を超えるトランプ大統領支持者が議事堂に押しかけようとしている時、ムリウエル・バウザー・ワシントンDC市長は、スティーブン・サンド警察署長と国防総省(ペンタゴン)に電話して州兵(ナショナル・セキュリテイーガード)の警備増強派遣を要請した。「緊急だ」という要請に対して電話口で信じられない答えが返ってきた。「州兵の出動を求めているのですね。それには市庁舎・市警からの要請ではなく、キャピタルヒル(議事堂)からの要請が必要です」。議事堂はすでにパニック状態になっていて手続きの要請を議会にしたが電話を取り次いだだけで行動は起こらなかった。サンド警察署長は州兵にも抗議デモ隊側の手が回っていると理解した。トランプ大統領が州兵の出動を許可せず、暴徒が議会に押し寄せてからペンス副大統領が出動を要請した。要請には大統領の承諾が必要だが、ペンス副大統領は独断で要請した。極めて異例のことだ。警察官1人を含む5人の死者、82人の逮捕者を出した。11日付ニューヨークタイムズ紙は、6日起こった暴徒に対する事前警備態勢が不十分だったことを非難する記事を1面トップ記事で掲載した。そしてSNSや米ネットワークが映し出した暴徒乱入の光景は世界中を震撼させるのには十分だった。

 公開された動画の中には、普段は自動小銃を構えて子犬一匹通さない厳重なバリケードの警備隊が、なぜか抵抗することもなく暴徒らに自ら鉄柵を開けて敷地に通し入れる映像も流れた=写真左上/投稿動画サイトから=。

暴動死亡者五人発表
一人は阻止の警察官

 ワシントンDC警察は7日、前日6日に暴徒となって議会に乱入したトランプ支持者で死亡した4人の名前を公開した。

 死亡したのは議会建物内で警察に撃たれたアシリ・バビットさん(35、メリーランド州ハンティントン)、なんらかの理由で現場で倒れ意識を失って救急車で搬送されて救急病棟で亡くなったベンジャミン・フィリップさん(50、ペンシルベニア州リングタウン)、ケビン・グリーソンさん(55、アラバマ州アテネ)、ロザンヌ・ボイランドさん(34、ジョージア州ケンソー)。

 また、今回の騒動で警察官ブライアン・シクニク巡査(42、ニュージャージー州オールド。ニュージャージー)=写真=が暴徒に消火器で頭を殴られ、7日午後9時30分に搬送先の病院で死亡した。

(写真:暴徒を抑え切れず背を向けて逃げ出す警官(NBCのニュース画面から))