出版記念講演会 D・H・イノウエ博士 26日にJAAで

NY日本人社会の草創期を浮き彫りに

明治〜戦前の日本人

 ニューヨークの日本人社会の草創期を紹介する書籍をまとめた歴史学者のダニエル・H・イノウエ博士が26日(土)午後1時から3時まで、ニューヨーク日系人会(JAA=西45丁目49番地11階)で出版記念講演を行う。講演は英語。講演会の後、サイン会がある。 イノウエ氏は3年前からコロンビア大学などで教鞭を取る気鋭の歴史学者。昨年11月に刊行された『Distant Islands: the Japanese American Community in New York, 1876-1930s』(University Press of Colorado)は360ページに及ぶ大著で、イノウエ氏が取り組むニューヨーク日本人社会の歴史をひもとく3部作の第1冊目。本書では、1876年から1930年代に焦点を当て、JAAの創設者である高見豊彦医師や日本クラブ創設者である科学者で実業家の高峰譲吉博士、現在の日本食料店「片桐」のように小売業を始めた人、労働者、学生など、当時コミュニティーを形成していた人々の多様な社会経済的背景やライフストーリーを綴る。そして、日本人社会を開拓した人たちの人間性に迫る。
 西海岸に移り住んだ日本人の歴史は広く知られているが、本書はおそらく初めて、ニューヨークの草創期の日本人社会を紹介した研究書として注目される。
 入場無料、要予約。同講演では特別割引35ドル(上製本49ドル)で販売する。予約は電話212・840・6942、またはEメールinfo@jaany.orgから。