世界チャンピオンに再び返り咲く

プロボクシングIBF女子バンタム級王者

吉田 実代さん

 女子バンタム級タイトルマッチが昨年12月9日、サンフランシスコ・チェイスセンターで行われ、吉田実代(35、shabell)が王者エバニー・ブリッジス(オーストラリア)に3ー0で判定勝ちし、IBF女子バンタム級王座を獲得した。スーパーフライ級との2階級制覇。渡米3戦目で世界王者奪還の快挙となった。

 一昨年12月から、再び世界王者に返り咲くことを目指し、母娘2人で来米し、NYに拠点をおきながら世界に挑戦する機会をうかがってきた第5代・第7代WBO世界女子スーパーフライ級王者の吉田実代選手。

 米国デビュー戦は昨年4月で2ー0の8回判定勝ち、2戦目には早くもIBFインターコンチネンタルバンダム級王者へ挑戦する機会を得るも、0ー3の10回判定負けと苦杯を喫した11月から僅か1か月で今回の試合に挑んだ。当初、他選手が王者エバニー・ブリッジス選手に挑戦する予定となっていたが、挑戦選手が怪我のため、欠場となり約2週間前に吉田選手に白羽の矢が立ち世界王者への挑戦権を得るチャンスが到来したのだった。

 準備期間僅か2週間にも関わらず、当初の目標であったタイトル獲得を達成するため、リングへ立ち、愛娘の実衣菜ちゃんが見守る中、3ー0という圧倒的な結果で判定勝ちを収めて悲願を達成した。この試合をもって吉田選手は第8代IBF女子世界バンタム級王者となり、来米1年目にして夢を実現。日本人女子選手がアウェイで世界タイトル奪還は史上初。

 吉田さんは「2週間前のオファーではありましたが、ずっと対戦を熱望していた大人気選手のエバニー・ブリッジス選手と試合できる千載一遇のチャンスなので即決したんです。ちょうど前回の敗北を反省し新しいトレーニングを組み込んでいたタイミングだったのですぐに試合に向けて準備に取りかかることができました。正直、不安も多少ありましたが、自分を信じて覚悟を持って頑張ることができ、本当に良かったです」と笑顔を見せる。

 試合直前にコーチとなったジミー・ソーサさんは「ポテンシャルのある選手であることはすぐわかった。相手との距離の取り方を今までと変えたことが奏功した」と12月18日ニューヨークのイーストビレッジのスタジオ151で開催された祝勝会で吉田さんを祝福した。(三浦良一記者、写真は本人提供)