ラテンジャズの歌声で心を解きほどく

ボーカリスト/ソングライター

古賀 マリさん

 2015年に出したアルバム「パーフェクトブルー」をきっかけに北米はもとより、中南米のラテンジャズ界からも注目を浴びる日本人歌手。スペイン語にこだわらず、英語、日本語と駆使し、ラテンのリズムにのせることによって、ラテン音楽界に新風を吹き込む存在として注目されている。
 大阪府大阪市出身。高校時代からポップス音楽で歌手活動を続けていたが、関西大学在学中、先輩に連れていってもらったジャズクラブでジャズの虜になった。以来在中から大阪を拠点にジャズクラブなどで歌いはじめ、1991年第10回ホテル日航大阪ジェットストリーム専属歌手オーディション優勝。その後、本格的にプロとして音楽活動を開始。94年に来米、ニューヨーク大学シティーカレッジを経てクイーンズカレッジ大学院でジャズパフォーマンスを専攻。在学中から数々のアワードを受賞する。2010年からアフロキューバンバンド、「アフロノーティカ」を結成、ラテンジャズの分野でも注目され、北米のジャズコミュニティサイト「ラテン・ジャズ・コーナー」で11年度の「ベスト次世代アーティスト」「ベストラテンジャズボーカリスト」にノミネートされた。
 人生の転機は、2012年。サルサ界のスター、トロンボーンプレーヤーのジミー・ボッシュに見い出され、グループにボーカリストとして参加したことだった。本確的にラテン音楽のジャンルで活動を開始し、各地の著名ラテンクラブやミュージックフェスティバルで演奏。そして1年くらいかけて少しずつ曲を収録してできたのが、15年2月に出したアルバム「パーフェクトブルー」だった。月間ダウンロード人気で第1位を獲得した「インビテーション」、米国内もとより南米諸国のラジオで人気となった「やまない雨」が収録されている。個性的で心をほどく感性ゆたかなハスキーなボイスがニューヨークの聴衆を魅了し続けている。
 好きな言葉は「やってやれないことはない。やらずにできることはない」。信条は「来たお客様が、みんな必ず楽しかったと言って帰ってもらえるようステージを盛り上げること。ライブは、エネルギーのキャッチボールですから」と明るい表情で語った。(三浦良一記者、写真も)
古賀マリ・クインテット・アット・バードランド公演情報=10月17日(木)午後5時30分から6時45分まで。会場はバードランドジャズクラブ(西44丁目315番地、電話212・581・3080)。入場料30ドル(飲食ミニマム10ドル)。 
 前売りチケットはオンラインで購入可能。www.birdlandjazz.com