「虹のかけら」カーネギーホールで

女優 戸田 恵子さん

 女優の戸田恵子さんが6月にカーネギーホールで、一人舞台「虹のかけら」(フジ・サンケイ・コミュニケーションズ、FCI主催)を上演する。映画「オズの魔法使い」で全世界のアイドルとなった天性のミュージカルスター、ジュディ・ガーランドの人生を、代役兼付き人として支えた同名のジュディー・シルバーマンという1人の女性の視点から描いたオリジナルストーリーだ。

 戸田さんの還暦の記念に演出家の三谷幸喜氏が書き下ろしたもので、初演は2018年5月。パンデミックを挟んで5年ぶりの上演となる。プロットや歌う曲目などは日本とほぼ同じだが、音楽の殿堂カーネギーホール用に芝居を幾分コンサート寄りにリメイク、日本版を少しシンプルにしたニューヨーク・バージョンとなる予定だ。ステージは日本語で、字幕なしの舞台となる。

 三谷氏とは、彼の初映画監督作品「ラヂオの時間」以来数々の舞台やテレビドラマなどで仕事を共にしてきた仲だけに、還暦記念の作品にどんな内容のものを作ってくれるのか、戸田さんからリクエストしたのは「著名な歌える人の生きざまを歌と芝居で伝える、人生も面白い人の話はどうか」ということだけ。三谷氏からジュディ・ガーランドで彼女の一生を語れる話を作ろうと言われ、迷わず「面白いと思いました。ストレートに表現するのではなく、三谷さんらしい一捻りがあって」と振り返る。

 ニューヨークは27歳の時からほぼ毎年1回、多い時は年に3回はやってきているが、全てブロードウエーの舞台を見るためだけに来ているという。「エネルギーをもらって帰って行ける街、自分がエンターテイメントの世界で生きていることを確認できる街、エネルギーを充電できる街です」と言う。「三谷さんの作品にはいつも胸がキュンとなるところがあって、今回の作品でも彼女が苦しんだところも臆せずに描かれていて、まるで1本の映画を見たような気分になれる作品です。リラックスして気楽に楽しんでいただける作品です。ニューヨークの皆さん、どうぞ見にいらしてくださいね」と笑顔で本紙読者にメッセージをくれた。上演は6月25日(火)と27日(木)の2日間。会場はワイル・リサイタルホール。(三浦良一記者、写真も)