ジャンルにとらわれずまず挑戦

ダンサー
舞台パフォーマー

田中 真夏さん

 ニューヨークでジャンルにとらわれずに芸術活動を続けている。過去のミュージカルやダンスの経験を生かしてさらに自分の幅を広げるために今はエアリルシルクとフープのトレーニングに励んでいる。日本ではなく、ニューヨークだからこそ広がった世界、考え方や出会いが自分をどんどん進化させていく感覚に魅了され、この先もここでの活動を志している。
 パフォーマンスだけでなく、ほかにも振り付けや殺陣などの創作側にも関わっており、この先も演じるのと創作を両方携わって行けることを目標に、生活を充実させていきたいと願う神奈川県出身の23歳。
 1歳から3歳までカルフォルニア州、そのあと6歳までミネソタ州で過し、小学生から高校生に学校生活は一旦帰国し、日本で過す。
帰国後、2008年から15年まで、大和市の児童劇団「大きな夢やまと子供ミュージカル」に所属、14公演中8公演で主役、準主役を好演した。15年からニューヨーク州立大学へ進みダンスを専攻。数々の振り付け家の下、計15作品で踊った。中には、ポール・テイラー・ダンスカンパニー、ジョン・レーラー・ダンスカンパニーら有名振付家の作品も。17年、ダンス界への登竜門として知られる難関のステプス・オン・ブロードウエーの夏期集中プログラムの受講生徒に合格し、多くの講師からダンスを学んだ。一昨年は、歌手、モナ・ハイダーの新曲「リフテッド」の主役ダンサーに抜擢、多数の記事に掲載された。昨年同大を卒業し、そのままニューヨークに移住、ミュージックビデオ出演や芸術活動を続けている。卒業後、オーディションを受け、300人近い応募者から合格、昨年秋からは体験型シアター、ゼロスペースとゾンビーエクスペリエンスで週4日間の出演を続けている。
 「大学卒業直後は、ダンス専攻の学位を生かしてダンサー関係の仕事をしたいという固定概念に囚われていましたが、ニューヨークで生き抜くには幅広い仕事ができないと成功しないということが分かったんです。芝居から歌からバーレスクと視野を広げると、仕事がいろいろ回ってくるようになった。今は自分の身体能力を生かしてエアリルシルクとフープを習い始め、特にシルクは近いうちにパフォーマンスまで持っていけるように技術を磨いていきたい」と目を輝かす。好きな言葉は「ノーデイズ、バット・トゥデイ(No Day But Today)/今日の今しかない」。目下最大の目標は、ダンスカンパニー大手の「Company XIV」に合格することだという。(三浦良一記者、写真も)