環境意識高い若者が歩くソーホー

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 ソーホーでインタービューに応じてくれた女性。チェルシー在住で、翌週の誕生日に向けて髪を切りに来たという。この日はナイキのエアフォース1スニーカーにフォーエバー21のセーターというラフな格好。「今日は、まさに普段着って感じね」と、ほほ笑む彼女は、鞄からアメリカン・アパレルのジャケットを取り出して撮影開始前に羽織った。ファストファッションなしでのコーディネートは難しいが、環境や社会に配慮したアイテムも意識的に揃えているという。「このブランドはアメリカでも縫製していて、従業員へ正当な賃金として還元されるから」とのコメント。ニューヨーカーは一般的に環境保護意識が高いが、縫製工の賃金レベルまで配慮する消費者はまだ少数派だ。

 アメリカン・アパレルは1989年ノースカロライナ創立。#WhoMadeMyClothesキャンペーンにも参加し、環境対応のみならず、賃金も含めた取引先企業の労働環境の管理、所謂 「Responsible Sourcing」を徹底しているブランドだ。残念ながら実店舗は閉鎖し、オンラインのみになってしまったが、彼女のように意識の高い消費者からの根強い支持を保っている。「在宅勤務になってからゆったりした服装ばかりだけど、スタイリッシュであり続けるために、運動も欠かさないようにしているの」と、自己管理も怠らない。「私を選んでくれてありがとう」と最高の結びで撮影終了。意識が高く、洗練されたファッショニスタとの出会いが多い街、それがソーホーなのだと再認識したインタビューだった。

(Wear2Nextチーム/アパレル業界関係者によるファッション研究チーム)