発表前日に感染知る

トランプ大統領コロナ陽性で入院し退院

 新型コロナウイルスに感染し、2日から入院治療を受けていたトランプ米大統領(74)は5日夕方、退院しホワイトハウスに戻った。トランプ氏は「COVIDを恐れ、自分の生活を支配させてはいけない」とツイッターに書き込んだ。大統領の主治医を務めるジョーン・コンリー医師は記者会見で、複数の強力な治療薬を投与し容体は回復したとする一方、「まだ完全に安心はできない」とも語った。退院後も治療は続ける。トランプ氏は2日午前1時前に新型コロナウイルス の検査でメラニア夫人(50)とともに陽性反応が出たとツイッターで発表。発熱の症状があり、1時間ほど酸素補給を受けた後、同日午後にヘリコプターでワシントン近郊のウォルター・リード米軍医療センター入院した。症状の軽いメラニア夫人はホワイトハウス内で自己隔離となった。

 ジョーン・コンリー主治医によれば、最側近のホープ・ヒックス氏が新型コロナウイルス検査で陽性反応が出たことを受けて、メラニア夫人と一緒に1日夕方に検査を受けたところ陽性だった。

 トランプ氏は、専門家の感染拡大防止のガイドラインを軽視し、マスク着用やソーシャルディスタンスもあまり守らず職務や選挙運動を展開してきた。ホワイトハウスはトランプ氏および接触する人物に徹底的な検査態勢を敷いているとしていたが、検査だけに頼るのは感染予防としては不十分であることを如実に示した格好だ。

 トランプ氏は74歳という高齢で、身長が約6フィート2インチ(約188センチ)、体重が243ポンド(約110キロ)でボディマス指数(BMI)が30を超え、肥満に該当するため深刻な合併症のリスクが最も高いグループに分類される。複数の関係者によると、実は1日にすぐに迅速検査を受けたところ陽性反応が出たが公表せず、正確なスクリーニング検査の結果を待ったことから公表は2日午前1時になったという。

(写真)大統領の退院を1面で報じる6日付NYタイムズ紙