サーモンとゆで卵の味噌ヨーグルト焼き

プロに聞く、生き生きEATS(イーツ)

元気と美味しいを求めて料理の達人が腕を振るう (1)

 新シリーズ1回目は発酵食品に詳しい料理研究家の舘野真知子さんの特別寄稿です。NYで手に入れやすい材料を使った美味しくて、しかも免疫力を高める料理で、コロナに負けない体と心を育もう!

 日本には独特の食文化としてたくさんの発酵食品が各地に残されています。発酵食品は、乾燥、塩漬けのような食べ物を長期に保存する知恵から生まれました。発酵すると自然界に存在する微生物が働き、保存性が高まり、素材が持っていなかった栄養素が生まれ、なによりもすごいのは「うまみ」を生み出すというところです。

 日本は冷蔵庫の普及により保存する技術が不要になったこと、流通のグローバル化により世界中から沢山の食べ物が入ってきたことにより、伝統的な発酵食品の消費がぐんと減り、また、減塩ブームの流れで塩分が高めな発酵食品は敬遠されるようになりました。

 ところが発酵食品が腸の健康に一躍買うことがわかってきた現在、その良さに気が付いた多くの人々が自宅で発酵食品作りを楽しんだり、発酵食品を料理に取り入れるようになったように感じます。

 その中でも日本の代表的な発酵食品といえば「味噌」。大豆、麹、塩、たった3つの材料で強いうまみと栄養を生み出す味噌はアイデア次第で洋風にも中華にもエスニックにも使える優れた調味料です。健康を保つためにも毎日スプーン1杯の味噌を取り入れることをおすすめします。

 味噌の調理効果は味付けの他に、素材をやわらかくしたり、臭みを消すなどがあります。さらにそれは漬け込むことによって効果を発揮し、1時間以上漬けると効果が高いと言われています。今回はアスタキサンチンという抗酸化作用が高い成分を含む鮭、腸粘膜を強くする良質なたんぱく質を含む卵、乳酸菌が腸内環境を整えるヨーグルト、細胞を強くするビタミンC、A、Eなどを含む赤ピーマン、腸の善玉菌の餌になり腸内環境を整えるオリゴ糖を含むグリーンアスパラなど、免疫力を高めるための食材を合わせたメニューをご紹介します。

 鮭以外にも鶏肉や豚肉でも美味しく作ることが出来ます。前日に作っておけば当日の料理も簡単で、ごはんにも合うし、お酒のお供にもおすすめです。カラフルな旬の野菜を合わせれば、見た目も良く、おもてなし料理などにも良いでしょう。

 こんな時ですから、栄養価の高い食材を選んで強い体を作ることがとても大切なことです。簡単で美味しい、新しいお料理にチャレンジしてみませんか?

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舘野真知子(料理研究家・管理栄養士):栃木で8代続く専業農家に生まれる。管理栄養士として病院勤務後、アイルランドの料理学校「Ballymaloe Cookery School」に留学。帰国後はフードコーディネーターやレストラン「六本木農園」の初代シェフを務める。現在はフリーランスの料理家として発酵食品をキーワードに料理の楽しさや食べることの大切さを伝える活動に励む。著書「きちんとおいしく作れる漬物」「料理用あま酒、はじめました。」など。


<材料> 2人分
サーモン(切り身) 2切れ
ゆで卵 2個
味噌 大さじ2
プレーンヨーグルト 大さじ5
にんにく(おろし) 一かけ分
(付け合わせ)
グリーンアスパラ 4本
赤パプリカ 1/2個
塩 小さじ 1/4
ブラックペッパー 少々
オリーブオイル 大さじ1/2


<作り方>

1. ヨーグルト、味噌、おろしたにんにくを混ぜ合わせる。

2. ジップロックにサーモンとゆで卵、1を入れ均等になじませ、2〜3時間冷蔵庫に入れて味を含ませる。

3. グリーンアスパラは下半分の皮をむき斜め切りに、パプリカは食べやすい大きさに切る。

4. 3をボウルに入れ、塩、ブラックペッパー、オリーブオイルを絡ませる。

5. オーブンの天板にクッキングシートをしき、マリネ材を軽く拭ったサーモンとゆで卵をのせ200℃のオーブンで10分間焼き、グリーンアスパラと赤パプリカを空いているところにのせて5分間焼く。