ウルトラマンNY参上

NYアジア映画祭で樋口監督と西野氏来米

来米した樋口監督(左)と西野さん(7月23日、リンカーンセンターで、写真・三浦良一)

「困った時の神頼み」
日本人的な観念で生まれたヒーロー

 NYアジアン映画祭で「シン・ウルトラマン」(東宝)が上映され、樋口真嗣監督、プロデューサーの西野智也さんが来米した。

 樋口監督は「オリジナルのウルトラマンが放送された60年代、子供の目から見た未来があった。当時はビデオがなく、記憶力だけを頼りにクラスメートの前で話すのが楽しかった」と創作の原点に触れた。今回の作品を作るに当たっては、脚本を作る前に、ウルトラマンの初代のスーツアクターだった古谷敏さんの体型を3Dでコピーするところから始めたという。作品自体もジオラマを作っての特撮は3シーンだけで、あとは全てCG撮影だという。ウルトラマンは、ゴジラと違い、60年代にリアルタイムで米国でテレビ放映されていないことから知名度は米国では低い。「日本人は困った時の神頼みで、ウルトラマンのように誰かがどこからか助けに来てくれるという他力本願的な願望がある。それがアメリカで受け入れられるか心配」と上映前語っていたが舞台挨拶で会場から満場の拍手を受け「感動した」と笑顔で応えた。ウルトラマンの映画を作りたいと東宝に入社したという西野さんは「アメリカで劇場公開できるかどうかは皆さんのSNSでの応援にかかってます。よろしくお願いします」とウルトラマンを売り込んだ。