「世界を救う」がキーワード Fast & Furious Presents: Hobbs & Shaw

 2001年に始まった「Fast & Furious」(ワイルド・スピード)シリーズとしては9作目だが、正確に言えば本作はシリーズの最初のスピンオフに位置付けられる。シリーズ途中から登場しているデッカード・ショウ(ジェイソン・ステイサモス)とルーク・ホブス(ドウェイン・ジョンソン)がコンビを組むスーパーアクション。独立した物語なので今までシリーズを見たことがなく、ストーリーの流れを知らない人も全く問題なし。この二人を激突させることで逆に観客の層ははもっと広がる可能性がある。
 お馴染みのカーチェイス、銃撃戦のスピード、アクション、ワイルドに加え、なぜかファミリーの絆という二人のイメージにはそぐわないテーマを正面からぶつけ、結果的にまとまりの良い物語が出来上がる。共演はイドリス・エルバ、バネッサ・カービー、ヘレン・ミレンら。監督は「ジョン・ウィック」のデビッド・リーチ。
 筋肉もりもりで荒っぽい元米外交保安部捜査官ホブスはロサンゼルス・ベース。一方、細身でクールな元MI6エージェント、ショウはロンドンで優雅な生活を送っている。その二人にCIAからの仕事が舞い込む。
 MI6の作戦チームは新型の生物兵器をテロリストから奪還したが、現場には隊員の死体が転がり、MI6エージェント、ハッティ(カービー)の姿と兵器のかなめとなるウイルスが消えていた。
 ホブスとショウは犬猿の仲。だが、「世界を救う」となれば話は別だ。しかもハッティがショウの妹で事件のうらには改造人間ブリクストン(エルバ)が動いていることが分かる。 
 ハッティはウイルスを守るためやむを得ず自分の身体にウイルスを注射し現場から持ち去っていた。ホブスとショウはブリクストンの攻撃がエスカレートしていく中で、ハッティの身体から特殊機器を使い一定の時間内にウイルスを取り出さねばならない。
 サモア出身のホブス(ジョンソンも実際にサモアの血を引くといわれる)が故郷を舞台に大型ヘリ対車のアクロバット・アクションを含むファミリー・リユニオン大暴れシーンを繰り広げる。ライアン・レイノルズやケビン・ハートらがカメオ出演で爆笑を誘う。2時間15分。PG-13。(明)https://www.hobbsandshaw.com/videos/

■上映館■
Regal E-Walk Stadium 13 & RPX
247 W. 42nd St.
AMC Empire 25
234 West 42nd St.
AMC Loews 34th Street 14
312 W. 34th St.