郊外画廊的な展覧会 フリーズ・アート祭始まる

カイカイキキが出展
ギャラリー38も注目

 ニューヨークのランドールズ島で5月1日から5日まで、「フリーズアートフェア」が開催された。ミッドタウンから車やフェリーで20分ほど離れた島で行われるこのアートフェア、会場の外に設置されたスペースでゆったりとした時間を過ごしている人たちが見られる。明るい会場内もちょっとしたリゾート地に来た気分にさせてくれる。
 そのなかで目を引いたのは、チェルシーにあるPPOWギャラリー。インディーズロックバンドの影響を受けたスティーブ・キーンによるデモンストレーションでは、マスプロダクションを信じる彼が目の前で手際の良い速さで次々に作品を書き上げていく姿を垣間見ることができた。アーティストのスタジオをそのまま持ち込んだようなパブリックアートだ。同じようなサイズのウッドパネルに版画のように一筆書いては次のパネルに一筆、その動作を機械的に続けながら同じ絵柄の作品を大量生産していく。その作品は15ドルから50ドルで販売された。
 今年は日本のギャラリーが少なくなったなか、ギャラリー38とカイカイキキギャラリーが参加。カイカイキキには上田勇児による大小、数々の陶芸作品が並んだ。なかには本当に陶器で作られたのかと思えるほど、人よりも大きいダイナミックな作品も見られた。アーティストが得意とされる亀裂やひび割れが使われたものや可愛らしい熊やキャラクター、人の顔を使った作品が印象的だった。TENGaoneの作品を展示したギャラリーの入り口の古びたトタン波板を使ったインスタレーションは多くの人の目をひき、写真を撮る人が多く見られた。(城林希里香、写真も)