日本映画20年のベスト

ジャパン・ソサエティーが文化庁と共催

 文化庁とジャパン・ソサエティー(JS)は5日(金)から25日(木)までACAシネマ・プロジェクト2001〜2020と題して日本映画特集を共催し、米国でオンライン配信する。上映作品は過去20年の中から特に注目すべき実写映画や監督作を1年1本という形で選定。低予算のインディペンデント作品から、大手映画会社の作品、各国映画祭で評価の高い監督や作品、長編から短編まで近年の日本映画の幅広い作品群を北米の観客に向けて紹介する。

  世界三大映画祭の一つ、カンヌ国際映画祭ではすでに常連となった是枝裕和監督のファンタジードラマ『空気人形』(2009年)、2014年カンヌ国際映画祭・コンペティション部門に正式出品の河瀬直美監督『2つ目の窓』、作者のフィリピンでの戦争体験を基にした大岡昇平の小説を原作とする塚本晋也監督『野火』(2015年)、橋口亮輔監督のLGBTをテーマとした先駆的コメディ作品『ハッシュ!』(2001年)、2020年トロント国際映画祭で最新作『すばらしき世界』がプレミア上映され、話題となった西川美和監督の作品で、カンヌ国際映画祭・監督週間正式出品『ゆれる』(2006年)など、国際的知名度の高い作家たちの作品が視聴できる貴重な機会となる。

 また特別に2020年の最新作2本をQ&Aなどのイベントと共に上映。『愛のむきだし』などでカルト的人気を誇る園子温監督最新作『エッシャー通りの赤いポスト』は米国プレミアとして上映。直木賞作家・島本理生のセンセーショナルな内容が話題となった小説を映画化、夏帆、妻夫木聡共演の『Red』(三島有紀子監督)も米国プレミア上映となる。パンデミックでイベント開催がままならない中で、久々にJSらしいプログラムの復活だ。オンライン配信上映(有料・一部無料)申し込みはウェブサイトhttp://film.japansociety.org

(写真)『ジョゼと虎と魚たち』(犬童一心)2003年