顔が重なる異次元の入口

野村康生の作品NowHereで

 4次元空間を3次元の立体で表現する作品で知られるニューヨーク在住のアーティスト、野村康生が対面式の異次元シェア体験インスタレーションで新たな作品作りに取り組んでいる。ソーホーのギャラリー「NowHere」(ウースター通り40番地、電話917・675・6944)のグループ展「8人の日本人アーティスト」で新作品を発表している。

 コンセプトは「重ね合わせ」。光の作用により、特種な透明版を通して向かい合った人の顔と自分の顔が重なりあう瞬間とその前後の異空間表現を体験できるインスタレーション。

 野村は武蔵野美術大学で油彩を専攻して2004年に卒業、2次元のキャンバスでいかに美しく3次元を描くかという従来のアート表現を模索する中で、現実は2次元がシェアして存在していることに気づき、新しい世界への入り口としての光に交錯による色彩の異現象を体現的なアートでディメンションを扱うことに取り組み始めた。「普段見ている世界を少し拡張した今高次元を体験してもらいたい。将来は宇宙空間の無重力という中でも表現してみたい」と話す。

 キュレーターの戸塚憲太郎さんは「新しさを追求する、他の人がやっていないオリジナリティーを追求するところがアートの面白さだと思うので、その両方を追い続けている野村さんの作品は見応えがある」と話す。展示は2月6日(日)まで。開廊時間は水曜から日曜の午前11時から午後6時。(三)