編集後記
みなさん、こんにちは。歴代の米国大統領のなかで最も多く大統領令を出したのは第32代フランクリン・ルーズベルト大統領(1882年~1945年)で3721本。第47代トランプ大統領も就任初日に25本以上の大統領令に署名し、就任1週間で30を超える大統領令に署名したと報じられています。また、就任後約1か間で約70本の大統領令を発令、5月23日まで157の大統領令を出しています。前任のバイデン大統領が出した大統領令の数、4年間で約56件と比べると格段の多さです。
任期はまだ3年以上あるので、このペースでいけば、歴代最多の大統領令を出した大統領になるかもしれません。そんなトランプ大統領が今月14日に出した大統領令は米国社会保障年金に関するものでした。
「年金は国民との約束」と豪語した割には、その中身は、給付金額の増額ではなく、郵送による給付から電子振り込みを普及させて受給の正確さ、詐欺の防止、スピード化を図るとか、電話の待ち時間をこれまでの平均30分を一桁台にするとか、よく考えるとなんだかどうでもいいようなサービス面での改善がメインで、民主党からは「財源に手をつけない見せかけだけの改善だ」などと手厳しく批判されています。確かに、なんて、一瞬思ってしまいます。
まあアメリカの年金は、日本の国民年金と比べればまだ手厚いものがあるので、額はよしとして、とりあえずはサービス面での充実に手をつけたということでしょうか。なんだか一つのことを決めるのに時間がかかりすぎて、ほとんど何も決まらない日本の国会と比べて、なんでも1人で勝手に決めて「大統領令」として発表してしまう米国。その両方に関与して生きている在米の日本人は「生きる尺度が伸び縮みして」ときとして何が正しいのかの判断を誤りそうです。
相互関税で全世界を撹乱し、かたや収拾のつかないウクライナ・ロシア紛争の和平調停に乗り出したトランプ大統領の手腕が毎日問われる「トランプ劇場」。その観客としては、関税も戦争も一段落のインターミッションの幕間が欲しいところです。
来週号は新聞は休刊週で1回お休みで一足先にインターミッションをいただきます。次号は9月6日号からまたお届けします。新聞の出ない2週間の間に世の中がどんな風に変わっているのか、それすらも読めない激動の年ですね。それでは、みなさんよい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)
