【編集後記】
みなさん、こんにちは。ボーイスカウト米国連盟が今月7日、活動のより包括的な環境作りを目指し、組織名を公式に「スカウティング・アメリカ」に変更すると発表しました(本紙4面に記事)。ボーイスカウトは1908年に英国ロンドンで軍人のロード・ベーデン・パウエル卿が創設した青少年団体で、米国連盟は1910年に創設されています。日本では1935年(昭和10年)に日本連盟が創設されています。テキサス州を拠点とする創立114年の米国連盟は、8万2000人以上が受けたという性的虐待の訴訟が相次ぎ会員数が減少、2020年に連邦破産法で24億ドルの再建計画適用を申請しました。1972年には全米で約500万人に達した登録者数は、2018年は200万人強、現在は100万人強まで減って衰退してきています。一方で、男子のみだった活動対象を2013年には同性愛者のスカウト、15年には同性愛者の成人指導者、17年以降は女子にも広げるなど、多様性を考慮した組織移行に取り組んでいるようです。最高ランクのイーグルスカウトにはこれまで6000人以上の女子が登録され、現在の女子会員数は17万6000人以上と会員の10%以上を占めています。野外活動を通して健全な精神と体の青少年を育成するという活動は、4年に一度の世界ジャンボリーというキャンプが世界で巡回開催され、アウトドア活動を体験できる団体組織です。私も小学校4年生から高校を卒業するまで、地元の北海道北見第一団少年隊・年長隊に所属して、毎年夏のキャンプが楽しくて仕方がありませんでした。高校2年生の時には、オーストラリアのアデレイドで開催された第10回オーストラリアジャンボリー(1973年~74年=南半球なので年末が夏)の日本派遣団18人の一員として参加したことがあります。兄弟のいなかった私にとっては、3歳から4歳上の年長者達の言動、行動がとても新鮮で今の私の少なからずの人格形成にも影響を与えていると思います。ガールスカウトがあるのになんで、女の子がわざわざボーイスカウトに入るの?と以前は不思議に思いました。まあ、もともと女子校だった母校の青山学院も早くから男女共学になってますし、ボーイスカウトだけが男子オンリーでなくなるのも時代の趨勢かとも思いますが、名称がボーイスカウトでなくなることはちょっと寂しいですね。まあ、なんでもラディカルなアメリカならではのことで、伝統を重んじる英国や日本では、名称までが代わることは多分ないでしょう。それでは、みなさんよい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)