編集後記

編集後記

 みなさん、こんにちは。海外で暮らす日本人にとって、日本語テレビ放送は、日本の出来事を知ったり、日本のテレビドラマを楽しんだり、映画を楽しんだり、子供の日本語教育、日本的情操面での教育効果が期待され、これまで日本人の海外生活とは切っても切り離せないものだった。インターネットがこんなに普及するまでは。33年前にアメリカで始まった、日本語放送テレビジャパンが今月31日をもって終了し、新しいインターネットでの動画配信サービスJmeというプログラムに切り替わる。ニューヨークでテレビジャパンの前身だったジャパン・ネットワークグループという伊藤忠とNHKエンタープライズ社の合同のプロジェクトでラジオ短波放送から始まったテレビジャパン。そのラジオ放送の受信コンバーターを取り付けて今から33年以上前に自宅で聞いていたことがある。「昼の散歩道」とか、今でも番組の名前を思い出せる放送がある。テレビ放送が始まってからは、子供たちはテレビジャパンの「お母さんと一緒」など子供番組で育った。毎日、耳がタコになるほど聞いた童謡も今となっては懐かしい懐メロだ。時代が変わって、今まで自宅で、映画館のような60インチのプロジェクションテレビみたいな受像器でホームシアター並みにテレビジャパンを楽しんでいた郊外の家庭も多いようで、「今までのでかい画面で、新しいテレビジャパンって見れるの?」と困惑する視聴者の声も届いた。テレビジャパンの皆木社長に「視聴者からこんな声も来ていますよ」とメールした。ほどなくして、大変丁寧で親切な、その視聴者の疑問に応える回答のメールをいただいた。今週号の7面で、全文掲載している。画面の向こうには、生身の人間がいる、体温のある人間の声が聞こえる。そんな変わらぬ日本語放送の精神を新しいJmeのプログラムが続けてくれるというのを感じた。大丈夫だと思いました。長い間ありがとう、テレビジャパン。お世話になりました。これまでのアメリカ生活はテレビジャパンと共にありました。皆さん、これからはJmeを楽しんでください。今までの大きなテレビでも見られるそうですよ。よかったですね。それでは、みなさんよい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)