短編小説の無料自販機

スクロール紙でちょっと読書

 ライターが落ち着いて執筆作業ができる空間を提供するブルックリンのザ・センター・フォー・フィクション(ラファイエット街15番地)はこのほど、無料の短編小説自動販売機「ショート・ストーリー・ディスペンサー」を設置した。 

 この販売機では、3つのカテゴリーと推定読書時間1・3・5分からタッチレスのボタンで好みを選ぶと、ランダムに選ばれた短編小説が印刷される。常時ある子ども向けの物語以外の2カテゴリーは、定期的に変わる。小説はすべて同機を開発したショート・エディションが所有する世界的な小説のデータベースと、同センターに関わる小説家や新進のライター、文学賞受賞者および候補者、教員、学生たちなどの作品から、センターのスタッフが選出している。 

 この短編小説自動販売機は2016年から世界中を巡回し、18年には家電製品見本市(CES)のテック・フォー・ア・ベター・ワールド(より良い世界を目指すテクノロジー)賞を受賞。現在、世界の300か所以上に設置され、560万以上の短編小説を提供している。ショート・エディションは同企画について「エコフレンドリーな紙のスクロールで、わずか1・3・5分で読書を感触できる。短編小説は文化的教養につながり、コミュニティに喜びをもたらす」と伝えている。