Street Fighter   ゲーム実写化の期待裏切る

 今回は1980年代後半〜90年代前半にかけて一世風靡したゲーム「ストリートファイター」の実写化作品。同ゲームはカプコンから1987年に対戦型格闘アーケードゲームとして登場してブームを引き起こし、「ストリート・ファイターⅡ」以降は家庭用ゲーム機として頻繁に遊べたことで、スーパーファミコン版で国内販売本数約288万本、世界累計販売本数630万本を売り上げ、世界的にも認知された。

 メガホンを取ったのは衣笠(京都)で生まれ、オハイオ州のクリーブランドで育ったサクライ・キタオ。彼は短編映画やミュージック・ビデオ作品に携わり、TV番組「The Eric Andre Show」のレギュラー監督を務めた。

 今作の舞台は1993年。師である剛拳(ごうけん)のもと兄弟のように強い絆で結ばれ、共に格闘家として名を馳せたリュウ(アンドリュー・小路)とケン(ノア・センティネオ)が主人公。だが彼らはある出来事をきっかけに袂(たもと)を分かつが、そんな二人のもとに謎の女性格闘家・春麗(カリーナ・リャン)が現れ、ルールなし・リミットなしのワールドウォリアートーナメント(世界格闘王決定戦)の招待状を受けて参加するが、バイソン(デヴィッド・ダストマルチャン)によるトーナメントの裏側ではある陰謀が画策されていた。

 筆者自身、少年時代に様々なキャラクターの得意技でプレイし、特別な思い入れで鑑賞したが、まずケンとリュウの関係性の希薄さ、さらに特徴のある個性的な格闘家の背景がほぼ描かれず、次に展開するためのコマとしてしか扱われず、物語ではトーナメントが導入されるが、試合の多くは画面外で行われ、何に着眼点を置いているかが理解できなかった。もちろんビデオゲームの実写化にストーリー性を求めていない人もいると思うが、新作「バイオハザード」やアニメ版「スーパー・マリオ」ではIPとしての価値を把握し、新たな興味深い作品を作り上げたが、今作からそんな敬意が微塵も感じなかった。(細木信宏)    

(写真)兄弟のように強い絆で結ばれた2人の格闘家、左、ケン(ノア・センティネオ)、右、リュウ(アンドリュー・小路)
Photo : ©パラマウント・ピクチャーズ


■上映館■

Regal Times Square

247 W.42nd St.

AMC Empire 25

234 W.42nd St.

AMC 34th St 14

312 W 34th St.