日系不動産業界の交流を促進 西田花蓮さん

OKADA & CO. アソシエイト
JAREC事務局兼任

 ニューヨークを拠点に商業不動産仲介を行っているOkada & Companyの西田花蓮さん(24)は、名古屋生まれの名古屋育ち。ニューヨーク大学を卒業して商業物件の世界の最高峰マンハッタンで現在活躍中だ。母親がアメリカ人で日本で父親が不動産投資する姿を見て興味を持った。大学では家庭学と建築がどういう心理的な作用を及ぼすのかを卒業論文のテーマにした。ホームという括りにこだわりがあったので不動産でも自分はレジデンシャルに進むのかと思っていたが、インターンシップの会社が全て商業不動産関係の会社だったため「何かしら運命的なものを感じた」という。

 2010年代後半、ニューヨークの日系・日本人不動産関係者同士の交流と情報共有の場を作りたいという思いから、現在勤務するOkada & Company代表のクリス・オカダ氏が「Japanese American Real Estate Club(JAREC)」を立ち上げた。当時は、同じ業界で活動していても互いの存在を知る程度で、業界横断的な交流の機会がほとんどなかった。そこで不動産に関わる関係者が定期的に集まりを開催し、業種や会社の垣根を越えた親睦を深めていた。しかしコロナ禍の影響で活動を休止し、その後長らく再開できない状況が続いた。

 先月、約6年ぶりにその集まりを再び開催することができた。西田さんは、クリス代表から同社が行なっていた不動産交流会の再開の任務を任された。今回多くの人々に参加してもらえ、大変有意義な時間を過ごすことができたという。古本不動産の古本武司会長やJ.ONE不動産の山辺亜紀社長ら老舗の不動産関連事業者や日系企業、小売業界など、さまざまな分野からの参加があった。

 西田さんは「この会は企業単位での参加だけでなく、ビジネスパーソン個人での参加も大歓迎です。日系企業だけにとどまらず、例えば米系企業に所属する弁護士や公認会計士などアメリカのビジネス社会で活躍する日本人プロフェッショナルの方々など、私どもが把握できていない日系人材にも数多く参加していただければと思っています」と話す。今回は、NBAのニックスの53年ぶりの優勝大パレードを見下ろす自社オフィスに取引先関係者やJARECのメンバーを招いてパレードのお祝いイベントも開催した。

 1960年代、70年代、代表のクリスさんの父親の岡田初代社長は、ニューヨークの商業不動産業界では多くの有名物件を扱う老舗不動産として名を馳せた人物。二代目のクリスさんを支えている同社勤続38年の番頭役、エージェントの岩田洋明さんが西田さんのサポート役として支えている。ここ3、4年でマンハッタンのビジネスオフィスの空室率は10%を下回るほど戻ってきているという。マジソン街には日本からの大型投資でどんどんとビルが建設される勢いだ。

 ニューヨークの不動産の特徴を聞くと「不動産の面で言うとニューヨークでしか勝たない。世界中が落ちていってもNYは落ちていかないのが面白いですね。ニューヨークは人が多くて孤独なこともありますが、日本から来たばかりの人も含めてぜひJARECに参加して欲しいです。自分自身がNYに来たばかりの時の気持ちが重なるのでお役に立ちたいです」と笑顔を見せた。

 (三浦良一記者、写真も)