海外でも非難の嵐

メイウェザーに花束投げ捨て

 さいたまスーパーアリーナで9月25日に行われた格闘技イベント「超(スーパー)RIZIN」で、プロボクシング元世界5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(45)と総合格闘技の朝倉未来(30)のエキシビションマッチが行われたが、試合前の花束贈呈式で、贈呈役の政治団体ごぼうの党代表・奥野卓志氏(48)が花束をメイウェザー選手に手渡さずマットに投げ捨てるという出来事があった。会場は騒然となったが、メイウェザー選手は何事もなかったかのように花束を拾い上げ、セコンドに手渡した。

 試合は国外でもペイパービューや無料放送などで配信されたため、花束を投げ捨てるという行為が世界に発信されることになってしまった。ネットでは「日本の恥」「国民に謝罪しろ」と大炎上、海外のSNS上でも、この行為を非難する声が多数上がった。試合は2回TKOでメイウェザー選手が勝利したが、米スポーツ専門局ESPNは試合結果を伝える記事で、「試合前、日本の格闘技の伝統である花束をメイウェザーに渡すはずだった男が、花束をメイウェザーに渡さず、キャンバスに投げ捨てるという奇妙なシーンがあった」と触れた。米ボクシング専門誌「リング」も「花束贈呈で手渡す人物が、驚くべきことに花束をメイウェザーの足元に落としてみせた」と書いている。米スポーツ系ウェブサイト「バースツール・スポーツ」はツイッターで「異様な行為」とツイート、米スポーツサイトの「ジョーダンスリラー」はイベントに遅刻したメイウェザーへの報復と推測した。

 英スポーツメディアの「ギブ・ミー・スポート」は、「フロイド・メイウェザー: 朝倉未来との勝利前に伝説のボクシング選手の足元に花が投げられた」とのタイトルの記事の中で「信じられない光景」と報じた。

 オーストラリアのFOXスポーツは「ボクシング界がメイウェザーへの奇妙な花束贈呈式に怒り心頭」との見出しの記事を配信。コメンテーターのジョー・フェラーロ氏の「日本では見たことがないと思う」、ダミアン・ブラウン氏の「花は敬意を表すものであり、こんなものは見たことがない」などのツイートを紹介。「スポーティング・ニュース」のアンドレアス・ハレ氏の「名誉の花を渡すのではなく、無礼な形で投げつけた。この行為が未来を助けるとは思わない」と指摘。香港の「サウスチャイナ・モーニングポスト」は「日本のファンが『日本の恥』と政治家を叩く」と報じた。主催のRIZINの榊原信行CEOは「日本人の恥をさらしたことは悲しいし、二度とこういうことがないようにしたい。本当にすみません」と謝罪した。

(写真)日米両国歌斉唱のあとの花束贈呈で、メイウェザーへの花束をマットに投げ捨てた奥野氏。(動画投稿サイトから)