着ぐるみ被害あと断たず

タイムズスクエアで記念撮影強要

撮影許可エリア市が設置したが

 ブロードウェー46丁目付近で8日午後6時45分頃、エルモの着ぐるみの男が写真を一緒に撮ろうと、無理やり14歳の少女の臀部をつかんだとして逮捕された。少女は両親と一緒だった。男はニュージャージー州パサイックに住むイノセント・アンドラーデ=パチョコ(54)容疑者で、子供に危害を加える行為と強制的接触で起訴された。罪状認否で本人は容疑を否認、逃亡の恐れはないため保釈金なしで同日夜釈放された。
 タイムズスクエアでセサミストリートのキャラクターなどの着ぐるみを着た者が、無理やり記念写真を撮らせようと、観光客などの手をつかむなどの被害が後を絶たない。
 タイムズスクエアの商業改善地区組織(BID)であるタイムズスクエア・アライアンスの調査によるとニューヨーク市民の47%が、過去1年間に着ぐるみの者などから「不快なやり取り」があったと答えている。また性的被害とは限らないが、22%が「望ましくない身体的接触」があったという。市外在住者でも15%が不快な目にあったと答えている。不適切な行為は1時間あたり平均24回、年間で12万件から16万件に上るという。
 こうした被害は今に始まったわけでなく、ニューヨーク市は2016年、所定のアクティビティーゾーン内だけで活動するよう制定した。しかし実際にはゾーンから出て記念撮影の勧誘が行われているという。タイムズスクエア・アライアンスは市議会にもっと厳しい規制を制定するように求めている。