NY日系人会の高齢者支援

助け合って百年
楽しい食事が大切

敬老会は毎回盛況

 「JAAは『助け合って100年』をモットーに地道に高齢者支援を昔からしておりました」というのはNY日系人会(JAA)事務局の野田美知代事務局長。JAAの高齢者支援はまず「異国に住む日本人シニアにとっては、日本文化・日本語と日本食が大切だと思います。その機会を提供していきたいと思っています。敬老会は、毎月1回か2回のシニアへの昼食会を実施、現在コロナのため会場70人、デリバリー&ピックアップ40人で110個のお弁当を用意している。会員優先でJAAのシニア会員は一年間60ドル、一回の参加費は5ドルとなっている。ここでは季節のメニューの日本食を提供(コロナ前はボランティアが料理を提供)、その時々のトピックでのお話=健康法、コロナワクチン情報や副作用、ヘイトクライムからの防御など、そして余興に音楽(イワキバンド、三上クニのジャズピアノ)や、落語、民謡、日本舞踊、朗読会などを毎回開催している。

一人じゃ生きていけない

 シニア同士の情報交換のおしゃべり時間とネットワークの構築も大切にしている。「いつも、最低、友達5人は持ちましょうと話している。一人じゃ生きていけない」。お互いに助け合うことが出てくる。病気になったら、ミルクも買いに行けない。その場合にはJAAにも連絡が入り、お互いに助け合うネットワークができる。

 定期的無料法律相談室も人気だ。事前指示の書類と委任状 (医療委任状=医療代理人を指名する)、リビングウイル(生命維持措置等に関わる意思表明)、委任状(財政代理人を指名する)と遺言の相談室のほか移民法相談室、一般的な相談室、税金に関する相談室などを実施している。

 毎日の電話相談=情報提供と日々のアドバイス、死亡時の手続き、葬儀情報の提供、一人住まいの方の緊急時の親類探し、(突然亡くなった場合も)日本への連絡など。

 さらにホームヘルパー/エイドのネットワークと情報提供(今後増えると予想される)、日本語を話し、日本文化を理解している介護人を求める人が多いが、探すのが大変難しい。ヘルパーさんと患者及び家族を繋ぐ役割をしている。

 ボランティアの「お元気ですか訪問(Visiting )」と電話や無料ヘアカット、メディケアオフィス、ソーシャルセキュリティーオフィスやドクターオフィスへの通訳や付き添い及び、グリーンカードの書き換えや日本の年金書類の記入手伝いや英語の手紙の通訳から日本人コミュニティの連携・NY日本総領事館、JASSI、日米合同教会、NY仏教会との連携で日本人、日系人の救援に当たっている。また定期的に文化クラスを開設して太極拳、書道、茶道、折り紙クラスなども開催している。

JAA邦人・日系人高齢者問題協議会が意識調査実施

 2005年5月、JAA高齢者問題協議会はニューヨーク、ニュージャージー、コネティカット、フィラデルフィア在住の邦人、日系人がより良い高齢者生活を過ごせるために、ニーズにあったサービスとは何かを協議していく機関であるとして発足。そのために、人口の高齢化動向とニーズの実態調査(研究)、高齢者問題への意識の向上(教育、広報)、高齢者問題の支援団体や情報源、資金の確保(協力)を行い、邦人・日系人の相互扶助と福祉厚生の充実を目的にしている。

 2006年「在米邦人・日系人の高齢者問題に対する意識調査」と2019年の「在ニューヨークの日本人・日系人の高齢化に関する意識調査〜訪問介護の在り方を探る」を実施。 2007年秋、シニアウイークを開催、2006年度の意識調査から、高齢者問題への意識の向上と支援団体や情報の提供の必要性を痛感して、シニアウイークを2週間開催した。今年で第15回秋のヘルスフェアとなり、一か月間に、日米の高齢者福祉の講演会や相談室を設けている。

 具体的には認知症ワークショップや認知症支援グループキャラバンメイトの講習会などを開催からコミュニティーカフェや訪問介護の専門家を中心にしての座談会を定期的に行っている。今年の春・秋のヘルスフェアでは、コロナから高齢者問題、子供からシニアが参加できる講演会、ワークショップを開催し、3000人以上が参加した。

 2019年度の調査の詳細が発表される予定で、今後、ニューヨークにおける訪問介護の在り方を確立して行く必要があるという。そして、「老後をどこで過ごすか?」、正確な日米の情報提供が必要だともいう。そして、早めの準備が大切だと力説する。

NYでは80歳以上がシニア

 「ニューヨークでシニアと呼べるのは80歳以上」。ニューヨークには高齢の日本人が集まることができる場所がない。なので情報が入らず孤立する危険がある。私はこう皆さんに言ってるんです「50歳くらいから自分の老後を考え始め、70歳までに米国に残るか日本へ帰国するかを決め、80歳になる前にそれを実行するようにと。コロナ禍でなくても時間をかけた老後の設計が必要な問題が、コロナで自由に日米間を行き来することができなくなっている現在、日本側の受け入れ態勢が厳しい状況の中、帰国したくても帰国できないケースが今後もしばらく続きそうだ。

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