「不正を訴え続ける」

トランプ大統領再度表明

 トランプ陣営や共和党組織などが激戦州を中心に不正があったと訴訟を起こしているが、すでにほとんどが棄却されている。ペンシルベニア州最高裁は11月28日、米大統領選をめぐり郵便投票は無効だとの同州選出のマイク・ケリー下院議員らの訴えを退けたについて「不正の証拠が提示されていない」として州最高裁の判事7人全員一致で棄却した。

 ウィスコンシン州では29日、トランプ陣営の求めで再集計が行われた人口の多いミルウォーキー郡とデーン郡の再集計が完了、バイデン氏が87票上積みした。これでトランプ氏に2万票以上の差をつけたバイデン前副大統領の勝利が確定した。

 トランプ大統領は29日、フォックスニュースの番組で電話で出演し、先の米大統領選挙で不正があったと訴えている訴訟について「最高裁にまで持ち込むのは難しいようだ」との見方を示す一方、「選挙で大規模な不正があった。それを証明しようと思う。6か月たっても変わらないだろう」と今後も不正を訴えていく考えであることを表明した。

 トランプ大統領は11月26日に行われた記者会見で、12月14日に行われる選挙人による投票でバイデン氏が正式に次期大統領に決まればホワイトハウスを去るかとの記者の質問に、「もちろんそうする」と答えた。しかし翌27日には、バイデン氏が大統領になるのは「8000万の票は不正・不法に獲得されたわけではないことを証明できた時だけだ」とツイッターに投稿している。

 大統領選の負けを認めないトランプ大統領だが、ニューヨーク・タイムズやウォール・ストリート・ジャーナルなどのメディアは、トランプ氏の周辺から漏れてきた話などからトランプ氏はすでに2024年大統領選への出馬を模索しているようだとの記事を出している。またフォックスニュースに代わるテレビニュース局の立ち上げを検討していることも報じられている。

 11月3日に行われた大統領選挙での獲得選挙人数はトランプ大統領が232人、バイデン氏が306人で、バイデン氏勝利の結果に11月30日時点で変更は出ていない。

 ニューヨークタイムズ紙は「2020年の選挙は、単に詐欺や、大統領が今騒ぎ立てているような不正行為がなかったというだけではなく、(選挙)管理の観点から大成功だった」と11月22日付の社説・論説欄で述べている。特にソーシャルメディア企業が偽情報(Disinformation)を厳しく取り締まったことなどが奏功したと報じた。