アンディ・ウォーホル回顧展始まる

ホイットニー美術館

Andy Warhol (1928–1987), Self-Portrait, 1963–64. Silkscreen ink and acrylic on canvas, four panels: 40 × 32 in. (101.6 × 81.3 cm) overall. Cingilli Collection © 2018 The Andy Warhol Foundation for the Visual Arts, Inc./ Licensed by Artists Rights Society (ARS) New York

 1960年代のポップアートを牽引したアンディ・ウォーホル(1928〜87)の回顧展「Andy Warhol-From A to B and Back Again」が12日、ミートパッキングのホイットニー美術館(ガンズヴォート通り99番地)で始まった。生誕90年を記念して初期から晩年までの作品約350点からその軌跡を辿る。30年ぶりの大回顧展で3月末まで開催後、シカゴとサンフランシスコを巡回予定。
5階展示室のエレベーターのドアが開くと、飛び込んでくるのは迷彩柄の「カモフラージュ・ラスト・サパー」。晩年作品のひとつで、ミラノ大聖堂の「最後の晩餐」の修復時に周囲を覆う壁面として委嘱された作品だ。その横には彼の「タイムカプセル」の中味。同フロアは著名作品や大型作品でウォーホル一色。
 ピッツバーグ出身のウォーホルは、大学卒業後1949年にニューヨークに移り、商業イラストレーターとして一躍有名になった。「初期」のコーナーは、靴メーカーなどの広告画とあわせて、ゲイである自分と向き合った性をテーマにしたデッサンなどが展示されている。続く展示は、キャンベル・スープ缶、コカ・コーラなど、大量生産を芸術として扱い時代の寵児となった、おなじみの作品が一堂に会する。「花」は、画廊の壁全部を作品で飾った当時の雰囲気を再現して展示。また、あまり評価されて来なかった70〜80年代の作品からは、特に「冷戦」や「AIDS」問題を扱った新聞広告をイメージした手描き作品やバスキアやへリングとコラボレーションした作品を展示する。さらに、3階ではアヴァンギャルドなフィルムメーカーとして知られた珍しい映像作品を、また1階では、壁面四方いっぱいにさまざまなポートレートを展示する。
 入場料は大人25ドル、学生・シニア18ドル、18歳以下無料。混雑が予想されウェブサイトからの予約入場を奨励。   (小味かおる、写真も)