未来が見えた、故郷と日本に貢献

新潟県南魚沼市から中高生19人来米

ワシントンDCとNYを訪問

 新潟県南魚沼市の中学生と高校生合わせて19人がワシントンDCとニューヨークを訪問し、ホームステイなども含め8月1日から7日まで来米した。一行には林茂男南魚沼市長、岡村秀康南魚沼市教育長はじめ、市役所職員が同行し、ワシントンDCでホワイトハウスやリンカーン記念堂、アーリントン墓地、スミソニアン国立自然博物館などを見学した。生徒たちは、アメリカン大学を訪問して学校生活などを日本人留学生から話を聞いた。(写真上)メトロポリタン美術館を見学する生徒たち(8月5日、撮影・三浦良一)

NY新潟県人会ホストファミリー歓迎会(8月5日、写真・野口正博)

  ニューヨークでは国連を見学し、石兼国連大使を表敬訪問したほか、NY総領事の森大使が一行の歓迎会を開催した。

 ツアー後半の週末は、自由の女神島上陸やメトロポリタン美術館見学、最終日は分散してニューヨーク新潟県人会が迎えるホストファミリー宅に宿泊するなど盛りだくさんの1週間の滞在となった。主催は南魚沼市で、選抜は中学生は24人の中学3年生が作文を提出し、審査により12人をえらんだ。高校生は19人の高校生が作文を提出し、審査により8人を選考した。

 この新潟県の生徒たちをアメリカに招くきっかけとなったのは、ニューヨーク新潟県人会の会長で南魚沼市出身の大坪賢次さん(不動産会社社長)の発案からだ。昨年亡くなった大坪会長の妻、理恵さんがパンデミック前から「故郷が発展するには人材の育成が大切で、それにはまだ進路を決めていない中学生の時が良いと思う」とかねがね言っていた亡き妻の夢を叶えたいとニューヨークから故郷新潟に何度も足を運んで実現に漕ぎ着けたものだ。

日本政府国連代表部に石兼公博国連大使を表敬訪問(8月4日)

 そういう事情で「南魚沼市中学生海外派遣事業」と銘打った市の事業は、今回は中学生だけではなく、数年前に中学生だった時に選ばれていたがパンデミックで来れないまま高校生になった生徒も含まれている。

 ニューヨークでは4日午前、日本政府国連代表部に石兼公博大使を表敬訪問した。石兼大使は、国連の役割を説明する中で、新潟からの拉致被害者の問題や、ミャンマー、ウクライナとロシア、マリ、中東アフリカの問題など世界中で起こっている問題が単体で存在して発生しているのではなく、開発、教育、平和維持、保健、気候変動などが複雑に絡みあって全てが繋がって起こっているということを述べた。生徒を代表して井口咲楽さん(国際情報高校2年)が「高校生の私にとってとても貴重な機会をいただき、とても感謝しています。私も海外の人たちから信頼を得られるような日本の代表という気持ちで努力したいと思います」とお礼の挨拶をした。

NY総領事の森美樹夫大使の歓迎会に出席(8月4日)

 一行は午後からNY総領事の森美樹夫大使主催の歓迎意見交換会に出席するため、総領事公邸を訪れた。森大使は「今回の海外での体験は、将来いろいろな分野で活躍する上で必要な広い視野を与えてくれるでしょう。その広い視野を持ってどうやって自分が世の中に貢献できるか考えて成長していってください」と激励した。生徒を代表して小島涼さん(六日町高校3年)が「私が今回の事業に参加しようと思ったのは、ニューヨークは芸術など世界の文化の中心地なので、将来は芸術交流の仕事に進むためのアウトプットができるよう自分の見聞を広めたいと思ったからです。将来は日本のよさを海外に広める活動に関わって行けたらいいなと思いました」と挨拶した。ツアー後半の週末は、自由の女神島上陸やメトロポリタン美術館見学、最終日は分散してニューヨーク新潟県人会が迎えるホストファミリー宅に宿泊しした。参加者は井口咲楽、加藤有純、笠原結、笠原八尋、桑原つぼみ、髙野七実、室橋スミレ、小島涼、小林咲月、松田夏穂、杉山誇和、渡邉夏央、富士野美幸、福田名菜、原澤桃花、野澤樹季、齋喜璃音、白井紗那、井上陽南(敬称略)以上19人。

南魚沼市長 林茂男

国際感覚あふれる人間に

 皆様こんにちは、南魚沼市長の林茂男と申します。南魚沼市は新潟県の南部に位置し、冬は市内一面が雪に覆われる風光明媚の地で、特産のコシヒカリや日本酒が育まれています。

 私はこの度、南魚沼市中学生海外派遣事業で若者とともにニューヨークを訪問いたしました。この事業は、ニューヨーク新潟県人会大坪賢次会長の多大なお力添えにより実現したものです。この場をお借りして衷心から感謝申し上げます。

 派遣生徒には、見聞した貴重な体験を基に見識を高め、国際感覚あふれる有為な人間に成長してくれるものと心から期待しています。

岡村秀康 南魚沼市教育長

人生に大きな影響

 このたび、南魚沼市から中高生19名がニューヨークを訪問しました。この訪問はニューヨーク新潟県人会長 大坪賢次様のご尽力とニューヨーク在住の多くの皆様のご協力により実現できたものと心から感謝申し上げます。

 中高生にとって、ニューヨークで活躍する方々との出会いは鮮烈だったようで、それぞれの人生に大きな影響を与える素晴らしい経験になったと確信しています。

 今回の訪問に参加した中高生の人間性豊かな成長を期待するとともに、ニューヨーク新潟県人会の今後ますますのご発展をお祈り申し上げます。

NY新潟県人会会長大坪賢次

故郷と日本の発展に貢献を

 林茂男南魚沼市長の熱い志の下、祈潟県南魚沼市の中学・高校生をニューヨークに派遣するプロジェクトが実現し、皆様をお迎えする事が出来まして、ニューヨーク新潟県人会を代表して心より歓迎致します。

 パンデミックで当初の予定より遅れましたが、今回ようやく実現する事が出来て、嬉しく思います。

 今回のニューヨーク訪問で受けたであろう大きな刺激を、これからの人生に活かして、故郷のみならず日本の発展に大いに貢献出来る国際人になって欲しいと念願しています。石兼公博国連大使、並びに森美樹夫大使に深くお礼申し上げます。