被爆証言地図を作成

東大NYオフィスで企画展

大学院生らが来米

 東京大学大学院の渡邉英徳教授(情報デザイン、デジタルアーカイブ)の研究室が中心となって6日と7日、マンハッタンの同大学ニューヨークオフィスで「テクノロジーでつながる平和活動」と題する企画展を開催した。

 本企画展は、国連で開催中の核拡散防止条約の再検討会議にあわせて開催。渡邉教授の研究室で学ぶ大学院生ら5人が来米、広島と長崎の約300人の被爆者の証言記録を地図上に記したウェブサイト「ヒロシマ・アーカイブ」と「ナガサキ・アーカイブ」などを、大型モニター(リキッドギャラクシー)で映し出した。6日には木戸季市さんら被爆者3人が証言を伝え、実際に地図上で自分がいた場所を指し示して証言するなど、臨場感あふれる交流会となった。

 渡邉教授は、デジタルアーカイブを平和という文脈で活用するプロジェクトを数々手がけている。今年作成された「ウクライナ衛星画像マップ」では、より分かりやすい形で建物の被害状況が伝えられた。会場では「被爆者の高齢化で直接証言が聞けなくなっていくなか、次世代にとって非常に興味深いツール」「もっと多くの人に紹介してほしい」などの声が聞かれた。同研究室の取り組みはウェブサイトhttp:// labo.wtnv.jpで見ることができる。(小味かおる、写真も)

広島県呉市の吉浦町(現:若葉町)の海軍施設から尾木正己が撮影したきのこ雲 カラー化:渡邉英徳