光る真珠を開発

パールアート作家の上村さん

世界初をNYで発表

 パールアート作家、上村栄司さんの展示会「真珠の芸術」が 5月21日から25日までソーホーのギャラリー・マックス・ニューヨークで開催された。上村さんは、 三重県南伊勢で祖父の代から真珠養殖を営む3代目で、真珠に限りない愛情を注ぎ制作に取り組んでいるユニークなパールアート作家だ。ニューヨークでは2年ぶり8回目の展示となる今回は、4代目の長男、拓摩さん(28)も同行し、作品を発表した。

 上村さんは、身に着けるジュエリーだけでなく、身に着けない時間もアートとして楽しめるパール作品を次々に発表しているが、今回の展示会初日には、日本での発表に先駆けニューヨークで世界初の「内面から光を発する」真珠を公開した=写真上(光を当てると暗闇で内面から発光する真珠)=。真珠に光を当てると、光を吸収して蛍のように暗闇で美しい朱色や青の光を発光させる。展示会場で開催された講演会で披露すると、参加者たちから驚きの声が上がった。

真珠の楽しみ方について来場者に解説する上村さん(左)

 上村さんは、この特殊な真珠の開発を5年間かけて地元南伊勢阿曽浦の若者たちと研究してきた。まさに努力の結晶とも言え、自然の力で貝が真珠を形成していく過程で光を吸収して発光するという真珠を知り尽くした上村さんだからこそ生まれた真珠だ。「 真珠は生物が作り出す唯一無二の宝石。 私はその真珠を世界に一つだけのアートとして楽しんでもらいたい」と話す。光る真珠に関する問い合わせは、上村真珠養殖、Eメール info@eiji=pearl.com またはmaxfujishima@gmail.com まで。