原因不明の小児肝炎相次ぐ

米で109人感染、5人死亡

 10歳以下の子どもを中心に原因不明の肝炎が欧米を中心に相次いで報告されている。WHO(世界保健機関)によると今年4月5日に英国で初めて報告されてから、5月1日現在でスペインやイスラエル、デンマークなど20カ国から228人の原因不明の急性肝炎が報告されている。厚生労働省によると、日本では6日までに計7人の報告がある。

 米疾病対策センター(CDC)は6日、昨年10月までさかのぼって調べた結果、これと同じ肝炎と思われる患者がアラバマの9人を筆頭にイリノイ、ノースカロライナなど24州とプエルトリコ自治領から109人見つかり、うち5人が死亡したと発表した。

 感染者の年齢の中央値は2歳で、90%以上が入院、14%が肝臓の移植を受けた。A型〜E型の肝炎を引き起こすウイルスは確認されておらず、今のところ何が原因なのかは分かっていないのが現状だ。

 半数ほどからのどの痛みや下痢などを起こすアデノウイルスが検出されたが関連は調査中だ。また新型コロナウイルスとの関連も調べられている。発症者は新型コロナのワクチン接種の対象年齢ではないためワクチンが原因とは考えられないという。